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分かっていなかった 知っているはずだった
力というものを 力というものを
人を守る事の大変さを 大切な人を守れない悔しさを
自分の無力さを 自分の不器用さを
自分の弱さを 自分の弱さを
_________________
~5分後~
狼と獅子はだれもいない公園内へと移動していた
ここは普段から人も少ない路地裏公園と言うべきところなのか
整備などされておらず、草も生えっぱなしである
普段はハイコド達の訓練場にしているのだが今回はここが戦いの場となる
「ほらほらほらぁ!どうしたんだいさっきまでの威勢は!根性あるのは最初の一発だけかい!」
殴りだけではなく蹴りや尻尾まで使った通常攻撃
スキルの類は超感覚以外は使っていない
だが、経験の差がありすぎるのだ
現にハイコドはディフェンスシフトでの防戦一方となっている
「うるせえ、さっきのようなことを言えないようにしてやるよ!」
緋音の右腕を左肘でいなして掴み、一本背負いの要領で木に向かって投げ飛ばす
しかし緋音は投げ飛ばされる前にハイコドの左腕を引っかいていた
そして木にぶつかる際に猫が高いところから着地するように木との正面衝突を防いでいた
ハイコドがこの時付けていた義手が人間の腕を模して作られていたこと、前の話での風花に言ったことが緋音が殴り飛ばされていた際の衝撃で聞こえていなかったこと、これによりこの話の結果が大きく変わることとなる
「やるようになったねぇ・・・コントラクターになったばかりときは殴ることもまず出来なかったくせに、やっぱり実践があると違うんだねぇ・・・・私も昔みたいにもどろうかなぁ~」
「けっ、息子には道(どう)にもどれ言って自分はこっち来るか・・・わやだな」
「わやでかまわん、子供は大人のいう事聞いていればいいんさ」
ああ言えばこういう、そんな状態が続いていた理由は二人とも待っていたのだ 得物が来ることを
「遅れた!」
「「おせぇ!!」」
二人は信から投げられた防具と武器をとった瞬間走りだした
お互いの普通の突きをお互いの盾で防ぐ、金属のぶつかる音とジッ!という溶ける音が同時に鳴る
「なんで渡したのさ!信!」
「い、いやだってよ姐さん・・・・あの状態の二人の命令を聞かないほうがまずいと思うのだが」
「だからって・・・・」
無意識のうちに手を握りしめるソラン、だが戦っている二人にはその様子は目に入らなかった
「意外だねぇ、あんたは槍一本で進むと思ってたけど!よいせ!」
「あい、そうですか!こちとら色々考えてるんの、現在盾使い目指し中!はぁ!」
お互いにただ斬りつけるのを躱し、防ぐのみでスキルも一切使っていない
緋音は息子の成長を肌で感じ取っていた
はじめの頃は盾を使うとなったら全てが全て盾で受け止めて、投げつけるしか出来なかったのに比べると今はただ真正面から防ぐのではなく角度をつけて受け流して避けれる攻撃は少ない動きで避けている
緋音から見ればまだまだではあるが 半年間 での頑張りを知ることが出来る、そのことを嬉しく思えた
「笑っちゃうねぇ、その程度で盾使い?そんなのそこらの子どもでも出来るよ!ほらぁ!」
いきなり急旋回して槍の石突でハイコドの胴体に盾を押し付け体をひねるのと同時にライトブレードの柄を切り、破壊する スキル【チェインスマイト】
「くっ!?」
ライトブレードは刃を出す機能が失われたので仕方なくホルダーにしまう
「さぁ私の勝ちだ、帰るよ」
勝ちを宣言し、後ろを向く
しかし、ハイコドは疑問を投げかける
「・・・だよ」
「・・・?」
「なんでいきなり帰れなんていうんだよ・・・・?」
「そうだねぇ・・・・諦めていないなら・・・そっちが勝ったら教えてやる」
人差し指をクイクイッと曲げ[かかってきな]と挑発する
ハイコドはそれを見て高めにジャンプして拳を振りかぶる
「そんな見え見えの攻撃・・・なっ!」
ハイコドがしたことは殴りではなくライトブレードを投げつけることだった
殴りしか来ないと思っていた緋音はモロに額に食らう
当たった箇所からは血が流れていた
「どーだ、クソババァ・・・油断すっからそーなんだよ・・・・」
今度はハイコドが指を曲げ、挑発する番だった
「やってくれるね・・・それと誰がババァだクソガキ!!」
バックラーを放り捨て、槍を構える
ハイコドはその構えに見覚えがあった
コントラクターになって初めての模擬戦、あの時持っていた盾を粉砕しハイコドを壁まで吹き飛ばした突き・・・
今なら分かる 【ランスバレスト】
あの時は一度も防ぐことが出来なかった
けれど今は違う
ハイコドも盾を全面に突き出し、相対する体制をとった
一撃目
盾を傾け横にそらすことに成功、大きくへこむ
ニ撃目
1撃目よりうまくそらすことに成功、だがバックラーにヒビが入る
「へへっどーよ・・・二回そらしたぞ・・・・ざまぁ」
左手にバックラーを持ち直す
「減らず口を・・・・・あと一回で決めてやるから覚悟しろガキが・・・」
すでに二人の目は数時間前のような輝いた目ではなく暗く、どこまでも暗い目をしていた
最後の一撃の始まりの合図は同時だった
「行くぞ(こいよ)」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「くらあああああああああああああああああああああああ!!!」
衝突した刹那、盾は砕け散る
緋音はそこで終わりだと思ったが、ハイコドはそうではなかった
そのまま腕を槍に伸ばしてきた
いくら戦い慣れている緋音とはいえ急に引き戻すことは出来ない
腕は一気に二の腕まで裂けた
緋音はそのことに動揺する
大量に流れ出る体液
だが
ハイコドは壊れたように笑って
「鬼さんつ~かま~えた~♫」
義腕を切り離し、一気に緋音の後ろに回り込み右腕だけで首を締め上げる
「ぐっ・・・あんたその腕・・・・」
「命か腕かって時に容赦なく切り捨てたさ、自分でね・・・・さぁ話してよ」
「分かった言うよ・・・・・」
緋音は観念したように今回の事の心中を語った
「今度の戦い(グラシナ 戦場の絆 最終回) ・・・・今までもやばかったけど、今回は本当にまずい・・・死んでほしくないんだよ・・・だから帰ってきてほしいんだ・・・」
出てきた言葉は子を心配する親の言葉
しかし、それすら心の奥の憎悪に対する着火剤でしかない
「ふざけるな・・・・帰ってきてほしい?そう願っていたのはこっちの方だよ・・・あんたがパラミタで過ごしていた三年間、俺はどんな思いして過ごしていたと思う?どんなに帰ってきてほしいと思ったと思う?」
それは一人で過ごさないといけなかった三年間
どんなに願っても一人にしかなれずに喧嘩三昧だった三年間
叱るのは先生という名の他人の大人、親は居なくて
変えてくれたのは4人の大切な友人
そしてその時にハイコドは俺から僕と自分をいうようになった
「あんたは俺が倒す!4人で平和に暮らす!それを壊させはさせない!死になんかしねぇ!」
首を締め、ハイコドの体に魔方陣が浮かび上がる
「何をする気だ・・・!?」
「あんたの周りの酸素を全て無くす!殺しやしないさ勝つためだよ・・・!」
「もうやめてよ!」
「うるせぇ!これは俺とこいつの・・・・問・・・題・・・だ・・・・」
声の主が誰か分かったとき、ハイコドの中で何かが壊れた
「もうやめてよ・・・なんでそこまでしないといけないの?話し合わないですぐに殺し合いみたいなことするの?・・・・もう、やだよぅ・・・おねがいだから二人ともやめて・・・」
ソランが泣きじゃくっていた、立っていられず風花に慰めてもらっている
《やめろ、やめてくれ僕(俺)は君(おまえ)のそんな顔が見たかったんじゃない・・・・・4人で仲良く馬鹿やって楽しく過ごしたかっただけなんだ・・・・ヤメロナクナ、ソンナメデボク(オレ)ヲミルナ・・・・ヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ・・・・・ボク(オレ)ヲミルナ!!!》
「う、うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
咆哮と共に魔方陣の円が揺らぐ、まるで生きているように緋音とハイコドに巻き付いていく
「クソッ!暴走か!おい、さっさとファイアプロテクトかけろ!馬鹿野郎!焼き死にてぇのか!」
「モウイイ・・・スベテモエロ・・・・キエロ、コワイモノ・・・・ナクナレ、モウイヤダ、ナイテホシクナイ、シニタクナ・・・モエロモエロモエロ」
まるでうわ言のようにつぶやく
魔方陣から火が出る、その様子は蛇が巻きつくように見える
「どあっちゃ!いいかげんにしろ、この!」
首を締められた体制でなんとか足を踏みつけたり脇腹を殴るが一切動じない
「モウイヤダ・・・モエロ、ボクモ、オレモ、ミンナ・・・・ダメダイヤダ、モヤスノハボクダケ、ボクダケイナクナレバイイ・・・」
自己犠牲の言葉
「!!こんの・・・馬鹿息...「「大馬鹿野郎!!!!」」
全力で緋音が殴りつけようとした時、すでに信と風花がハイコドを地面に叩きつけていた
「僕だけ居なくなればいい!??ふざけんな契約のことを忘れたか!ワタシ達も殺す気か!」
「信様もバカですわ!そういう事じゃないでしょう!! ・・・・ハコ兄様、大丈夫ですわ、誰も今死んで良いはずなど無いのですよ?あなたが死んだら私達よりソラ姉様はどうなってしまいますの?」
燃えている体もお構いなしに二人は抱きしめる
すると魔力切れなのかはわからないがハイコドの体を這っていた魔法帯が消えていく・・・・
崩れ落ちる体
「ハイコド!大丈夫か、おい!」
「邪魔だよ!どけな」
緋音が信を引き剥がし、ハイコドにグレーターヒールをかける
「くそっ、ランスバレスト使い過ぎたか・・・・SPが少ないな・・・・だけど死なさせないぞ、死なせたくないから来たのに死なさせる気か、私!もういやだ、大事なもんを目の前で無くすのは真っ平御免なんだよ!!!死ぬな、バカ息子!」
必死に回復する緋音もところどころススまみれである
信も風花もその姿を黙って見守るしか出来なかった・・・・
_________________
目が覚めるとそこは自分の部屋で、義腕は二の腕の途中までの裂けて壊れた状態で付いていて
すぐ側には愛しい人がうつ伏せで眠っていて
頭を撫でようとして、手を止めた
どれだけ泣いたのだろう、どれほど悲しかったのだろう
目の周りは赤く泣き腫らしていて、涙の跡も付いていて
それを見たときに意識を失う前の事を全て思い出した
自分には触れる資格が無いように思えた
いったいどれだけ自分はこの人を泣かせたのだろう
どうしてこの人は自分を見捨てないでそばに居てくれるのだろう
「なんで・・・・どう・・・・して?」
そして
怖くなった
気づいたときには走っていた
いや、逃げ出したと言う方が正しいだろう
あの泣き顔と笑顔が脳裏でちらつく
ただただ逃げるように部屋にあったマントで壊れた腕を隠し
壊れかけた少年は逃げ出した
《オレハイッタイドッチナンダ?》《ボクハイッタイドッチナノ?》
《オレッテダレダ?》《ボクッテダレ?》
《《ドッチガホンモノナノダロウ》》
逃げる逃げる、少年はどこまでも逃げる
愛しき人を置いて
壊れた
自分を求めて 『四季』へ逝く
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
激闘!?親子対決!! 第四話 コワレタショウネンノサケビ 終
エピローグに続く
_________________
あとがき
・・・・・・なにこれ暗っ!?
始めたときはこんなことになるって思わなかったよ!?
なんでしょうね・・・書いてるこっちが欝になりそうですよ・・・たはは
というわけで次回エピローグです
四季に行って帰ってきた後の話になります
・・・戦闘シーンってムズイネ
※火術が発動するとき、ハイコドはファイアプロテクトを使おうとしましたがその前にディフェンスシフトを使っていたためSP切れとなっていました(残りSP2)いやぁSP低いって損だね!
力というものを 力というものを
人を守る事の大変さを 大切な人を守れない悔しさを
自分の無力さを 自分の不器用さを
自分の弱さを 自分の弱さを
_________________
~5分後~
狼と獅子はだれもいない公園内へと移動していた
ここは普段から人も少ない路地裏公園と言うべきところなのか
整備などされておらず、草も生えっぱなしである
普段はハイコド達の訓練場にしているのだが今回はここが戦いの場となる
「ほらほらほらぁ!どうしたんだいさっきまでの威勢は!根性あるのは最初の一発だけかい!」
殴りだけではなく蹴りや尻尾まで使った通常攻撃
スキルの類は超感覚以外は使っていない
だが、経験の差がありすぎるのだ
現にハイコドはディフェンスシフトでの防戦一方となっている
「うるせえ、さっきのようなことを言えないようにしてやるよ!」
緋音の右腕を左肘でいなして掴み、一本背負いの要領で木に向かって投げ飛ばす
しかし緋音は投げ飛ばされる前にハイコドの左腕を引っかいていた
そして木にぶつかる際に猫が高いところから着地するように木との正面衝突を防いでいた
ハイコドがこの時付けていた義手が人間の腕を模して作られていたこと、前の話での風花に言ったことが緋音が殴り飛ばされていた際の衝撃で聞こえていなかったこと、これによりこの話の結果が大きく変わることとなる
「やるようになったねぇ・・・コントラクターになったばかりときは殴ることもまず出来なかったくせに、やっぱり実践があると違うんだねぇ・・・・私も昔みたいにもどろうかなぁ~」
「けっ、息子には道(どう)にもどれ言って自分はこっち来るか・・・わやだな」
「わやでかまわん、子供は大人のいう事聞いていればいいんさ」
ああ言えばこういう、そんな状態が続いていた理由は二人とも待っていたのだ 得物が来ることを
「遅れた!」
「「おせぇ!!」」
二人は信から投げられた防具と武器をとった瞬間走りだした
お互いの普通の突きをお互いの盾で防ぐ、金属のぶつかる音とジッ!という溶ける音が同時に鳴る
「なんで渡したのさ!信!」
「い、いやだってよ姐さん・・・・あの状態の二人の命令を聞かないほうがまずいと思うのだが」
「だからって・・・・」
無意識のうちに手を握りしめるソラン、だが戦っている二人にはその様子は目に入らなかった
「意外だねぇ、あんたは槍一本で進むと思ってたけど!よいせ!」
「あい、そうですか!こちとら色々考えてるんの、現在盾使い目指し中!はぁ!」
お互いにただ斬りつけるのを躱し、防ぐのみでスキルも一切使っていない
緋音は息子の成長を肌で感じ取っていた
はじめの頃は盾を使うとなったら全てが全て盾で受け止めて、投げつけるしか出来なかったのに比べると今はただ真正面から防ぐのではなく角度をつけて受け流して避けれる攻撃は少ない動きで避けている
緋音から見ればまだまだではあるが 半年間 での頑張りを知ることが出来る、そのことを嬉しく思えた
「笑っちゃうねぇ、その程度で盾使い?そんなのそこらの子どもでも出来るよ!ほらぁ!」
いきなり急旋回して槍の石突でハイコドの胴体に盾を押し付け体をひねるのと同時にライトブレードの柄を切り、破壊する スキル【チェインスマイト】
「くっ!?」
ライトブレードは刃を出す機能が失われたので仕方なくホルダーにしまう
「さぁ私の勝ちだ、帰るよ」
勝ちを宣言し、後ろを向く
しかし、ハイコドは疑問を投げかける
「・・・だよ」
「・・・?」
「なんでいきなり帰れなんていうんだよ・・・・?」
「そうだねぇ・・・・諦めていないなら・・・そっちが勝ったら教えてやる」
人差し指をクイクイッと曲げ[かかってきな]と挑発する
ハイコドはそれを見て高めにジャンプして拳を振りかぶる
「そんな見え見えの攻撃・・・なっ!」
ハイコドがしたことは殴りではなくライトブレードを投げつけることだった
殴りしか来ないと思っていた緋音はモロに額に食らう
当たった箇所からは血が流れていた
「どーだ、クソババァ・・・油断すっからそーなんだよ・・・・」
今度はハイコドが指を曲げ、挑発する番だった
「やってくれるね・・・それと誰がババァだクソガキ!!」
バックラーを放り捨て、槍を構える
ハイコドはその構えに見覚えがあった
コントラクターになって初めての模擬戦、あの時持っていた盾を粉砕しハイコドを壁まで吹き飛ばした突き・・・
今なら分かる 【ランスバレスト】
あの時は一度も防ぐことが出来なかった
けれど今は違う
ハイコドも盾を全面に突き出し、相対する体制をとった
一撃目
盾を傾け横にそらすことに成功、大きくへこむ
ニ撃目
1撃目よりうまくそらすことに成功、だがバックラーにヒビが入る
「へへっどーよ・・・二回そらしたぞ・・・・ざまぁ」
左手にバックラーを持ち直す
「減らず口を・・・・・あと一回で決めてやるから覚悟しろガキが・・・」
すでに二人の目は数時間前のような輝いた目ではなく暗く、どこまでも暗い目をしていた
最後の一撃の始まりの合図は同時だった
「行くぞ(こいよ)」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「くらあああああああああああああああああああああああ!!!」
衝突した刹那、盾は砕け散る
緋音はそこで終わりだと思ったが、ハイコドはそうではなかった
そのまま腕を槍に伸ばしてきた
いくら戦い慣れている緋音とはいえ急に引き戻すことは出来ない
腕は一気に二の腕まで裂けた
緋音はそのことに動揺する
大量に流れ出る体液
だが
ハイコドは壊れたように笑って
「鬼さんつ~かま~えた~♫」
義腕を切り離し、一気に緋音の後ろに回り込み右腕だけで首を締め上げる
「ぐっ・・・あんたその腕・・・・」
「命か腕かって時に容赦なく切り捨てたさ、自分でね・・・・さぁ話してよ」
「分かった言うよ・・・・・」
緋音は観念したように今回の事の心中を語った
「今度の戦い(グラシナ 戦場の絆 最終回) ・・・・今までもやばかったけど、今回は本当にまずい・・・死んでほしくないんだよ・・・だから帰ってきてほしいんだ・・・」
出てきた言葉は子を心配する親の言葉
しかし、それすら心の奥の憎悪に対する着火剤でしかない
「ふざけるな・・・・帰ってきてほしい?そう願っていたのはこっちの方だよ・・・あんたがパラミタで過ごしていた三年間、俺はどんな思いして過ごしていたと思う?どんなに帰ってきてほしいと思ったと思う?」
それは一人で過ごさないといけなかった三年間
どんなに願っても一人にしかなれずに喧嘩三昧だった三年間
叱るのは先生という名の他人の大人、親は居なくて
変えてくれたのは4人の大切な友人
そしてその時にハイコドは俺から僕と自分をいうようになった
「あんたは俺が倒す!4人で平和に暮らす!それを壊させはさせない!死になんかしねぇ!」
首を締め、ハイコドの体に魔方陣が浮かび上がる
「何をする気だ・・・!?」
「あんたの周りの酸素を全て無くす!殺しやしないさ勝つためだよ・・・!」
「もうやめてよ!」
「うるせぇ!これは俺とこいつの・・・・問・・・題・・・だ・・・・」
声の主が誰か分かったとき、ハイコドの中で何かが壊れた
「もうやめてよ・・・なんでそこまでしないといけないの?話し合わないですぐに殺し合いみたいなことするの?・・・・もう、やだよぅ・・・おねがいだから二人ともやめて・・・」
ソランが泣きじゃくっていた、立っていられず風花に慰めてもらっている
《やめろ、やめてくれ僕(俺)は君(おまえ)のそんな顔が見たかったんじゃない・・・・・4人で仲良く馬鹿やって楽しく過ごしたかっただけなんだ・・・・ヤメロナクナ、ソンナメデボク(オレ)ヲミルナ・・・・ヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ・・・・・ボク(オレ)ヲミルナ!!!》
「う、うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
咆哮と共に魔方陣の円が揺らぐ、まるで生きているように緋音とハイコドに巻き付いていく
「クソッ!暴走か!おい、さっさとファイアプロテクトかけろ!馬鹿野郎!焼き死にてぇのか!」
「モウイイ・・・スベテモエロ・・・・キエロ、コワイモノ・・・・ナクナレ、モウイヤダ、ナイテホシクナイ、シニタクナ・・・モエロモエロモエロ」
まるでうわ言のようにつぶやく
魔方陣から火が出る、その様子は蛇が巻きつくように見える
「どあっちゃ!いいかげんにしろ、この!」
首を締められた体制でなんとか足を踏みつけたり脇腹を殴るが一切動じない
「モウイヤダ・・・モエロ、ボクモ、オレモ、ミンナ・・・・ダメダイヤダ、モヤスノハボクダケ、ボクダケイナクナレバイイ・・・」
自己犠牲の言葉
「!!こんの・・・馬鹿息...「「大馬鹿野郎!!!!」」
全力で緋音が殴りつけようとした時、すでに信と風花がハイコドを地面に叩きつけていた
「僕だけ居なくなればいい!??ふざけんな契約のことを忘れたか!ワタシ達も殺す気か!」
「信様もバカですわ!そういう事じゃないでしょう!! ・・・・ハコ兄様、大丈夫ですわ、誰も今死んで良いはずなど無いのですよ?あなたが死んだら私達よりソラ姉様はどうなってしまいますの?」
燃えている体もお構いなしに二人は抱きしめる
すると魔力切れなのかはわからないがハイコドの体を這っていた魔法帯が消えていく・・・・
崩れ落ちる体
「ハイコド!大丈夫か、おい!」
「邪魔だよ!どけな」
緋音が信を引き剥がし、ハイコドにグレーターヒールをかける
「くそっ、ランスバレスト使い過ぎたか・・・・SPが少ないな・・・・だけど死なさせないぞ、死なせたくないから来たのに死なさせる気か、私!もういやだ、大事なもんを目の前で無くすのは真っ平御免なんだよ!!!死ぬな、バカ息子!」
必死に回復する緋音もところどころススまみれである
信も風花もその姿を黙って見守るしか出来なかった・・・・
_________________
目が覚めるとそこは自分の部屋で、義腕は二の腕の途中までの裂けて壊れた状態で付いていて
すぐ側には愛しい人がうつ伏せで眠っていて
頭を撫でようとして、手を止めた
どれだけ泣いたのだろう、どれほど悲しかったのだろう
目の周りは赤く泣き腫らしていて、涙の跡も付いていて
それを見たときに意識を失う前の事を全て思い出した
自分には触れる資格が無いように思えた
いったいどれだけ自分はこの人を泣かせたのだろう
どうしてこの人は自分を見捨てないでそばに居てくれるのだろう
「なんで・・・・どう・・・・して?」
そして
怖くなった
気づいたときには走っていた
いや、逃げ出したと言う方が正しいだろう
あの泣き顔と笑顔が脳裏でちらつく
ただただ逃げるように部屋にあったマントで壊れた腕を隠し
壊れかけた少年は逃げ出した
《オレハイッタイドッチナンダ?》《ボクハイッタイドッチナノ?》
《オレッテダレダ?》《ボクッテダレ?》
《《ドッチガホンモノナノダロウ》》
逃げる逃げる、少年はどこまでも逃げる
愛しき人を置いて
壊れた
自分を求めて 『四季』へ逝く
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
激闘!?親子対決!! 第四話 コワレタショウネンノサケビ 終
エピローグに続く
_________________
あとがき
・・・・・・なにこれ暗っ!?
始めたときはこんなことになるって思わなかったよ!?
なんでしょうね・・・書いてるこっちが欝になりそうですよ・・・たはは
というわけで次回エピローグです
四季に行って帰ってきた後の話になります
・・・戦闘シーンってムズイネ
※火術が発動するとき、ハイコドはファイアプロテクトを使おうとしましたがその前にディフェンスシフトを使っていたためSP切れとなっていました(残りSP2)いやぁSP低いって損だね!
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