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(なんだろこの子?)
(大丈夫かな?)
(風花さん呼んでこよ)
(そうしよそうしよ)

うさぎたちが何やら騒いでいる....

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____________

ハイコドがソランと結婚してくれとプロポーズをした次の日のいさり火、テラス
風花はうさぎたちを外に出せない時は屋根を付けてここにうさぎたちを放す
以外とスペースがあるのでわたげうさぎ達は運動不足にはならないのだ

しかし普段ならじゃれたり日向ぼっこしたり雪に潜ったりしているうさぎたちが一箇所に集まっていた

「うーん・・・・」

(女の子だ)
(どうしてこんな所にいるんだろ?)
(どうしよう?)
(風花さん呼ぼ?)
(そうしよう)

うさぎたちは数羽を残して風花の元へ走り出しました
うさぎ専用の戸を使って風花の部屋へ
風花は読書中にいきなりドタドタと入ってきたわたげうさぎ達に少し驚きながらもどうしたか聞いてみた

「どうしたのです?お腹空きましたか?」

(ちょっと来て)
(女の子が倒れてる)
(あ、お菓子食べたい)
(僕も)

もし4羽でなく1羽だったら大変なことになっていただろう・・・
とりあえずドライキャロット(自家製)をお腹が空いた2羽にあげて風花はテラスへ移動した

(あ、風花さん来た)
(こっちこっち)

わたげうさぎはぴょんぴょん跳ねながら風花を呼んだ
女の子はうつ伏せで倒れており、少し雪が積もっていた

「た、たいへんですわ!」

風花は女の子を抱えると急いで一階へと降りていった
長時間倒れていたのか体は冷え切っていたためすぐにソファーに寝かせて毛布をかけて暖かくした

「ん、どうしたんだ?」

勉強中だった信が二階から降りてきた
わたげうさぎたちが飛び跳ねながら遊ぼうとせがんでくる
風花は女の子が起きた時に飲んでもらえるようにスープを作っていた

「テラスに女の子が倒れていたのですわ・・・」

「・・・おいおい、二階には家の中を通るか空飛ぶとかそうしないと入れないぞ?」

「でも倒れて凍えてますし・・・」

「・・・わかった、とりあえず目を覚ますまでな?」

たとえ女の子と言ってもここはパラミタ、見た目ちびっこで齢◯千歳なんてザラに居る
正体不明なのだから警戒することは信にとってこの家を守ることでもあった

「・・・ただでさえ俺たちは他の契約者より弱いんだ」

小さくそう呟いた

____________


気がつけば自分の体に毛布がかかっていてソファーの上で寝ていた
寝ぼけた状態なので周りに靄がかかったように見える
目をこすって自分の状態を確かめようとする

「むにゃ・・・・ここはどこじゃ?」

自分が寝ていたソファーも周りの家具も大きめで多人数が使用できるものばかりだった
ストーブやテーブル、テレビも有ることから多分リビングだろう
しかしリビングにしては広くてお金持ちの家か共同住宅の様にみえた

視界の端に何やら白いボールのような物がうごめいていた

「・・・?」

こちらが起きたことに気づいたのかソファーの上に上がってきた
思わず体を逃げるように移動するがよく見ると耳がピコンと立っており、目や口もみえた

「うさぎ・・・?」

たしかわたげうさぎとかいううさぎは毛玉に見えると聞いたことがある
もしかしたらそれなのかもしれない
わらわはそうおもいゆっくりと、噛まれそうになっても逃げれるスピードで手を伸ばした
するとうさぎは自らわらわの手に近づいてスリスリと頭をこすりつけてきた
まるで怖くないよ?と言うように

「かわいいやつじゃの」

優しく抱っこしてやると尻尾を振りながらじっとしている
暫くの間だっこしたうさぎをナデナデすることにした

「あ、起きたのですね」

人の気配に気づかないくらいなでなでに夢中になっていたのか背後に人が立っていたことに気づかずビックリしてしまった

「んのぉ!?」

抱っこしていたうさぎもビックリしたのかソファーへ降りてしまった

「ご、ごめんなさい!」

改めて声の主を見てみるとまずデカかった
わらわの身長をぜったい20・・・いや30は越しているだろう
背だけではない、胸も!
すこし嫉妬の念が出かかったが頭から出ているうさぎの耳のモサモサ感をみた瞬間ほっこりしてしまった・・・

「えっと・・・ここは・・・どこなのじゃ?」

とりあえず話してみることにする

「ここは雑貨いさり火、ツァンダにある雑貨屋兼私たちの住居ですわ」

そこでうさみみはすこし困惑したように

「あ・・・いい忘れていましたわ、私は獣人の白銀 風花といいます」

ふむ、獣人か・・・どおりでもさもさした耳を持っているわけじゃ

「わらわは花妖精のエクリィール・スフリントじゃ、よろしくの風花」

「はい、よろしくですわ」

自己紹介をした所でキッチンから長身の男が出てきた
・・・こやつも風花とやらと同じくらいでかいのじゃな

「ん、起きたか・・・ワタシは藍華 信、魔鎧だ」

魔鎧・・・・・たしか鎧になる種族だったかの?

「よろしくじゃ、信」

「で、いきなり悪いがどうしてウチの二階に有るテラスで倒れていたんだ?」

「・・・倒れておった?わらわが?」

そういうと二人ともなにやら悩んでいるんだか怪しんどるんだか分からぬ表情をしおった
すると信が

「なぁスフリント、ここで気がつくまでの事思い出せるか?」

「ふん!そんなこと造作も無いわ! ・・・・・」

「どうかしましたか?」

・・・まずい思い出せん、自分の名前と種族と好物と苦手なこととティル・ナ・ノーグとパラミタの事ぐらいしか思い出せん

「・・・・・すまん、ほとんど覚えてらんの」

「記憶喪失・・・・いや、パラミタで生を受けたばかりなのか」

「あ、いやの。ティル・ナ・ノーグのことは覚えとるんじゃ、ドロシーには世話になっとるからの」

そうじゃ、ドロシーに世話になった・・・と言うか他の花妖精たちと生活していたのはおぼえとる
ただ・・・村をでてそれからがあやふや、ということを言ったら納得してくれたのか信はソファーに座った

「たぶん闇商人に追われたか狼とかに襲われたりして必死に逃げたらうちに飛び込んでた、とかじゃないか?」

「うーむ、おぼえとらんからのう・・・それでいいじゃないか?」

「いいのですか・・・ですわ」

しかしそこまではいいもののこれからどうしたものかの
外は雪がうっすら積もる雪景色、流石に荷物も何も持っていない状態だと・・・死ねるの

「とりあえず今日はここに泊まっていけよ」

なんともまぁ嬉しい助け舟を向こうから出してくれたものじゃ!

「ほんとかの!ありがとうじゃ、信!」

「・・・・・その代わりなんだが、ちょっといいか?」

「うむ!なんでも言っとくれ!炊事洗濯掃除!なんでも手伝うぞ!」

「いやな・・・・・ていっ」

ピシッ、と小気味いい音が鳴ったと思ったらいきなりデコに衝撃が来た
ピシッピッピッピッ....その後も連続してデコに衝撃が・・・それが目の前の男によるデコピンだと気づくのに数秒かかってしまった

「な、ななななな・・・・なにすんじゃいワレェ!」

デコがひりひりする、骨にヒビ入っとらんかの?赤くなっとるじゃろうな・・・

「すまん・・・あまりにもデコピンしたくなる魅惑のデコでな・・・」

「なんじゃそりゃーーーーーーーーーーー!」

お返しとばかりにボディーブローを叩きこんでやったが逆にこっちの拳が痛くなってしまった
どんだけ固い腹筋しとるんだこやつは・・・

という訳で少しの間この二人の家に泊まる事になったわらわじゃが後にあんなことになるとはおもわなかったのじゃ・・・

ちなみにこの日はうさぎに囲まれて眠ったのじゃ、すんごくもふもふしてたの~



おしまい
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