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更新が凄まじく遅くなっておりましたァ!
ノーマルシナリオ【殺人鬼『切り裂きジャック』】の後日談です。
__________
ハイコドは上機嫌だった。
真っ黒で艶のある狼の尾をゆらゆらと大きく揺らしながら自宅へと足を運ぶ。
少しスキップ気味に歩くその姿は誰が見ても何か嬉しいことがあったのだろうと思えるものだった。
上機嫌の理由は、とある連続殺人事件の犯人を捕獲した事で警察から感謝状と懸賞金を貰うことが出来たからだ。
元々賞金目当てで参加した作戦ではない、もしも殺人鬼が空京ではなくツァンダに現れていたとしたら・・・妻やパートナーが危険な目に会ってしまうその可能性を潰すためであった。
結果として殺人鬼(正体は10歳前後の幼い姉妹だった)の捕獲は完了、この事件での新たな被害者が生まれることはもう無くなった。
「~♪、何に使おうかな~♪」
妻へのプレゼント、一緒に頑張った相棒への何か、愛する我が子が喜びそうな物、懸賞金の使い道がシャボン玉のように浮かんでは消えていく。
最終的にどうするか決まらないまま家へと着いてしまった。
「あ、ハイコド!おかえりなのじゃ!」
「エクル、ただいま」
店の窓ガラスを掃除していたエクルが脚立から降りて水の入ったバケツを持ち上げる。
「どうじゃった?何かもらえたかの?」
「あぁ、懸賞金と感謝状をもらえたよ」
瞬間、ぱぁぁとエクルの表情が明るくなる。
「懸賞金とな!?」
「軽い臨時収入位だね」
「ほうほう!何に使うのじゃ!?」
「それは皆揃ってからだな。流石に俺らだけで決める訳にもいかないだろ?」
それもそうじゃのとエクルも納得したのかそそくさとバケツを持って裏へ行ってしまった。
「あぁ、そうじゃ」
ぴょこっと裏から顔だけを出して靴を脱ごうとしていたハイコドを呼び止める。
「どうかしたか?」
「シンクとコハクの3ヶ月検診・・・じゃったかの?結果は大丈夫じゃったよー」
「そうか!わかったよ!」
詳しいことはソランに聞いとくれーとだけ言い残して今度こそエクルは奥へと行った。
我が子が順調に成長している嬉しさが胸に込み上げてくる。
ハイコドは触れることも出来なかった約3ヶ月分の幸せを取り戻すように感じていた。
「ソラ、ただいま!」
少し乱暴に革靴を箱に仕舞い、リビングへの扉を開ける
「ハコ、おかえりなさい」
「ハコ兄様、お帰りなさいですわ~」
ガラガラの音が静かに響くリビング。
ハイコドにはその場所だけがスポットライトを当てられた舞台の様に見えた。
風花に抱っこされながらガラガラに興味を持ちながら少しづつ手を伸ばそうとしている娘、ソランの腕の中でスヤスヤと眠っている息子
その光景を見るだけで思わず口角が上がる。
そしてあぁ、幸せだなと感じるのだった。
「コハク、ガラガラが好きなのk「おっと、まずはスーツをタンスにしまってください」
ピシャリと妻からの口撃。
「いや・・・少しくらい」
「シワになるのでお早くお願いします」
「折角着慣れないスーツと堅苦しい形式の表彰式から開放されて子供たちと遊ぼうと思ったのに」
「着慣れないのであれば普段着になって楽になりなさい、それにちゃんと手を洗ってからこの子達に構いなさい」
「・・・」
完封。
やるせなさを感じながらハイコドはそそくさとスーツを仕舞いに自分の部屋へと向かった
「あはは・・・」
その光景を見て風花はただ苦笑いをするしか無かった。
・
・
・
「で、そのお金はどうしましょうか~」
時間は少し流れ、ハイコドたちパーティーが揃いテーブルを囲んで中央に置かれた
「ソラ、何か足りないものはあるか?」
「んー、それこそ食材とか洗剤とかはこの前買い揃えたし・・・子供たちのオムツとかも大丈夫でしょ」
「銃弾が足りないな、この前の依頼でほとんど撃ちつくしちまった」
「信、そりゃあんたが機関砲なんて使うからでしょーが!あれどんだけすると思ってるのよ!弓使いなさい弓!」
「おまっ!?ドラゴン系にこの家にある弓で戦えっていうのか!?せめて対イコン用爆弾弓よこせ!」
言い争う二人の背後にぬっ、と現れる2つの影
一人は真緋の長髪、もう一人は狼の耳が生えた銀髪
「ぱーっと使ったらどうだ?」
「私、一度飲んでみたかったワインがあるのよね~」
「のわっ!?母さん!?ミントさん!?」
ハイコドの母緋音とソランの母ミントがいつの間にやらそこに居た。
二人はハイコドの反応なぞ聞こえなかったと言いたそうにすぐさま孫の側へと移動して顔を覗き込む。
覗きこんで数秒、顔がどんどんニヤけていく。
「ほんっっっとかわいいなぁ・・・、おっ指掴んだぞ」
「双子って所がいいわよねぇ、一族総出でお祝いされたもの~」
「あれは放っておこうか」
「賛成」
・
・
・
結局どうなったかというと。
「飲めー!騒げー!ひゃっほー!」
『おういぇー!』
高級食材にそこそこの酒に高級なジュースを使いまくった宴となった。
「結局こーなるんかい」
「まーまーいいじゃない、これでこそ私達らしいと言えるんだから」
「そういうものかねぇ」
そんなふうに呟きながらハイコドはちびりと高級りんごジュースを飲み干した。
「・・・美味い」
ノーマルシナリオ【殺人鬼『切り裂きジャック』】の後日談です。
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ハイコドは上機嫌だった。
真っ黒で艶のある狼の尾をゆらゆらと大きく揺らしながら自宅へと足を運ぶ。
少しスキップ気味に歩くその姿は誰が見ても何か嬉しいことがあったのだろうと思えるものだった。
上機嫌の理由は、とある連続殺人事件の犯人を捕獲した事で警察から感謝状と懸賞金を貰うことが出来たからだ。
元々賞金目当てで参加した作戦ではない、もしも殺人鬼が空京ではなくツァンダに現れていたとしたら・・・妻やパートナーが危険な目に会ってしまうその可能性を潰すためであった。
結果として殺人鬼(正体は10歳前後の幼い姉妹だった)の捕獲は完了、この事件での新たな被害者が生まれることはもう無くなった。
「~♪、何に使おうかな~♪」
妻へのプレゼント、一緒に頑張った相棒への何か、愛する我が子が喜びそうな物、懸賞金の使い道がシャボン玉のように浮かんでは消えていく。
最終的にどうするか決まらないまま家へと着いてしまった。
「あ、ハイコド!おかえりなのじゃ!」
「エクル、ただいま」
店の窓ガラスを掃除していたエクルが脚立から降りて水の入ったバケツを持ち上げる。
「どうじゃった?何かもらえたかの?」
「あぁ、懸賞金と感謝状をもらえたよ」
瞬間、ぱぁぁとエクルの表情が明るくなる。
「懸賞金とな!?」
「軽い臨時収入位だね」
「ほうほう!何に使うのじゃ!?」
「それは皆揃ってからだな。流石に俺らだけで決める訳にもいかないだろ?」
それもそうじゃのとエクルも納得したのかそそくさとバケツを持って裏へ行ってしまった。
「あぁ、そうじゃ」
ぴょこっと裏から顔だけを出して靴を脱ごうとしていたハイコドを呼び止める。
「どうかしたか?」
「シンクとコハクの3ヶ月検診・・・じゃったかの?結果は大丈夫じゃったよー」
「そうか!わかったよ!」
詳しいことはソランに聞いとくれーとだけ言い残して今度こそエクルは奥へと行った。
我が子が順調に成長している嬉しさが胸に込み上げてくる。
ハイコドは触れることも出来なかった約3ヶ月分の幸せを取り戻すように感じていた。
「ソラ、ただいま!」
少し乱暴に革靴を箱に仕舞い、リビングへの扉を開ける
「ハコ、おかえりなさい」
「ハコ兄様、お帰りなさいですわ~」
ガラガラの音が静かに響くリビング。
ハイコドにはその場所だけがスポットライトを当てられた舞台の様に見えた。
風花に抱っこされながらガラガラに興味を持ちながら少しづつ手を伸ばそうとしている娘、ソランの腕の中でスヤスヤと眠っている息子
その光景を見るだけで思わず口角が上がる。
そしてあぁ、幸せだなと感じるのだった。
「コハク、ガラガラが好きなのk「おっと、まずはスーツをタンスにしまってください」
ピシャリと妻からの口撃。
「いや・・・少しくらい」
「シワになるのでお早くお願いします」
「折角着慣れないスーツと堅苦しい形式の表彰式から開放されて子供たちと遊ぼうと思ったのに」
「着慣れないのであれば普段着になって楽になりなさい、それにちゃんと手を洗ってからこの子達に構いなさい」
「・・・」
完封。
やるせなさを感じながらハイコドはそそくさとスーツを仕舞いに自分の部屋へと向かった
「あはは・・・」
その光景を見て風花はただ苦笑いをするしか無かった。
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「で、そのお金はどうしましょうか~」
時間は少し流れ、ハイコドたちパーティーが揃いテーブルを囲んで中央に置かれた
「ソラ、何か足りないものはあるか?」
「んー、それこそ食材とか洗剤とかはこの前買い揃えたし・・・子供たちのオムツとかも大丈夫でしょ」
「銃弾が足りないな、この前の依頼でほとんど撃ちつくしちまった」
「信、そりゃあんたが機関砲なんて使うからでしょーが!あれどんだけすると思ってるのよ!弓使いなさい弓!」
「おまっ!?ドラゴン系にこの家にある弓で戦えっていうのか!?せめて対イコン用爆弾弓よこせ!」
言い争う二人の背後にぬっ、と現れる2つの影
一人は真緋の長髪、もう一人は狼の耳が生えた銀髪
「ぱーっと使ったらどうだ?」
「私、一度飲んでみたかったワインがあるのよね~」
「のわっ!?母さん!?ミントさん!?」
ハイコドの母緋音とソランの母ミントがいつの間にやらそこに居た。
二人はハイコドの反応なぞ聞こえなかったと言いたそうにすぐさま孫の側へと移動して顔を覗き込む。
覗きこんで数秒、顔がどんどんニヤけていく。
「ほんっっっとかわいいなぁ・・・、おっ指掴んだぞ」
「双子って所がいいわよねぇ、一族総出でお祝いされたもの~」
「あれは放っておこうか」
「賛成」
・
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結局どうなったかというと。
「飲めー!騒げー!ひゃっほー!」
『おういぇー!』
高級食材にそこそこの酒に高級なジュースを使いまくった宴となった。
「結局こーなるんかい」
「まーまーいいじゃない、これでこそ私達らしいと言えるんだから」
「そういうものかねぇ」
そんなふうに呟きながらハイコドはちびりと高級りんごジュースを飲み干した。
「・・・美味い」
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