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-あんたに渡すものがある-


         -どこまでも無茶しそうだから-


  -これを抜くことができるかな?-

     -・・・・ありがとう-

             -強くなってみせる!-

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いさり火リビング、夕方

信はバイトに行っており、風花はうさぎたちとおさんぽ中
という訳で普通ならハイコドとソランしか居ない放課後なのだが

「・・・なんでいるかな」

「別にいいじゃねぇか、減るもんじゃ無し」

「ソランにお話があってね~」

「ソラン、イルミンのおみやげ買ってきたぞ-」

学校から帰ってきたハイコドとソランは
なぜかリビングでくつろいでるジーバルス夫妻+竜螺嫁の出現に頭を抱えていた

「大体母さん、家の方はどうなってるんだよ!」

ここ最近、緋音はパラミタに来てばっかりだ
北海道の実家の事を考えると青丹は仕事で家に居ることが少ないため
主婦の緋音が居ないと掃除も何もされていない家になってしまう
が、緋音もちゃんと対策はしていた

「あーそれなら平気だよ、ゴンを家政夫として雇った」

ゴンというのはいさり火の前持ち主でハイコドたちがおやっさんと呼んでいた人である
いさり火をハイコドたちに渡してそのあとは世界旅行していたはずだが・・・
どうやら竜螺家に居座ることにしたらしい

「おやっさん・・・そんなところに居たんだ」

ソランもコクコクと頷く

「で改めて聞くけど何しに来たの」

「そうだったそうだった、ほらよこれ」

そう言って緋音がテーブルの上においたのはガントレットに剣がついたような武器

「これって・・・」

緋音がハイコドに渡す物といったら何時ぞやかのレーザー剣くらいだったが以前見たものとは形が違っていた
以前の形だとただ単にデカイ剣だったが今回はずいぶんとスマートになっている

「あのままだとただ振り回すくらいしかできないと思ったからよ、改造してやった。だが、まだ未完成なので後は自分で完成させな」

・・・それって作ってる途中で面倒になっただけじゃないか、とハイコドは心の中で思ったが黙っておいた

「分かったよ・・・・・・・ありがとう」

いきなり言われるとは思っていなかった感謝の言葉に緋音は照れくさそうにハイコドにゲンコツした

「いてぇ」

「馬鹿息子に礼を言われる筋合いないんだよ、バーカ」

____________

「ソランに渡すのはこれだ」

セキハはソランに細長い桐箱を渡した
重さからおそらく武器が入っている事がわかり、かすかに魔力のようなものも感じられた
箱には文字が彫られており

「太刀 銘清破 光白椿 ・・・・?」
白椿は11月11日の誕生花で花言葉は「理想の愛」、椿は「誇り」
セイハというのはソランの祖父でセキハの父
そしてセイハはすでに亡くなっている

「これって、おじいちゃんの形見みたいなものじゃない!貰えないよ!」

ソランは桐箱をセキハに押し返すが優しく返されてしまった

「いいかソラン、これはな親父が死ぬ数年前にお前のために作った刀だ」

「おじいちゃんが私に?」

「あぁ、だから受け取れ。いつまでも無銘なんか使ってんな!俺としてはちゃんとした刀を使って欲しいのさ」

そこまで言われてしまうと受け取らざるおえない
ソランは箱を開けてみた、中には真っ黒な鞘に炎の絵が描かれていて光白椿と彫られていた
試しに抜こうとするが

「あれ?んしょっ・・・・・抜けないよこの刀」

セキハはソランの頭をポンポンとたたき

「そりゃお前が弱いからさ」

と言った
まさかの言葉に固まるソラン

「要するに強くならないと抜くことすら出来ないと・・・」

「そうゆうことだ、頑張れよ娘!」

また頭をワシワシと撫でられるがひょいと避けた

「撫でていいのはハイコドだけだよー」

その一言を聞いた瞬間セキハは泣きながらハイコドに刀を振り下ろした

「うぉ危な!」

なんとか真剣白刃取りをするが少し失敗したのか血が垂れる

「コノヤロー、娘が完全にお前にしか撫でられたくないって言いやがったぞコノヤロー!普段どんなことやってんだよコノヤロー!」

泣きながらコノヤローを三回言いやがりましたこの人

「それってただ単に親離れしたことを妬んでるだけですよね!!?」

ぐぐぐぐぐと力が増す、このままでは本当に斬られかねないので全力で刃を止める

「あぁそうだよ!娘取られて妬んでるだけだよコノヤロー!」

「父親って最終的には娘とわかれるものでしょうが!」

「うるせー!どうせ毎日胸とか揉んでるんだろこのやろー!」

「だーからどうだって言うんですか!恋人なんだからそれくらいするでしょう!!!」

「母さん、コイツそれくらいとか言いやがったぞ!ケダモノ野郎はここで叩き斬ってやる!」

なんだか途中から話が変わってきた所で女性三人がゆらぁりと男二人の後ろにまわる
もしこの場に信と風花が居たらすぐさま逃げ出しているだろう

「おぃ、アホ息子・・・」「あなた・・・」「ハーコー・・・」

そこからはそれこそ神業といえよう
ソランが拳で刀を折り、緋音がハイコドに【閻魔の拳】を顎に打ち込み
ミントが【真空波】をセキハの鳩尾に叩き込んだ
ハイコドとセキハはそれぞれの方向へ吹っ飛び、気絶した
壁に赤い飛沫とか付いているけど気にしない

「さーて、女三人で美味しいもの食べに行きますか」

「ソラン、何食べたい?」

「んーとね、パスタ!」

そうして女三人は中心街へと出かけていった
ちなみに代金はこっそりスッたセキハとハイコドのポケットマネーだったとさ



おしまい
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