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それにしても母さんがあそこまでデレッデレなの初めて見たな
・・・・なんかソラに・・・・いやいや、考え過ぎだ自分・・・・・そうだそんなことがあるわけ
(何やらブツブツつぶやいている)
・・・・なんかソラに・・・・いやいや、考え過ぎだ自分・・・・・そうだそんなことがあるわけ
(何やらブツブツつぶやいている)
____________
青丹が来た次の日、今日は特訓は基礎(腕立て、腹筋、背筋、ランニング)のみとしてお休みの日になった
表面からすればノルマを合格とした息子たちへのご褒美に見えるだろうがそれは違った
二人を見るより夫とじゃれあう方を選んだのだ。
基礎だけであれば見ていなくても勝手に済ませるから
「にゃ~ん♡」
「よしよし、緋音ちゃんはかわいいね」
まるで飼い主とペットのようにじゃれあう夫婦
二人がそうしてじゃれあっている所を小屋の外からハイコドとソランは気配を消して覗いていた
「・・・ホント母さんがネコみたいだ」
「なんか可愛いね」
「だけどあれだよ?僕らを見たら猛獣と化すよ」
そうだよね とソランは相槌を打った
そのまま二人をそっとしておくためにまた走りに行こうとしたが小屋の中から青丹が声をかけた
「あ、二人とも入ってきていいよ。コーヒーでも入れるかい?」
____________
「ハイコド、そういえば学校の方はどうなんだい?」
夫の膝枕でごろごろしている妻の頭を優しく撫でる片手間にコーヒーをちびちびと飲む
「んー、普通っていうか・・・成績も平均以上維持してるよ」
こちらも膝枕で気持ちよさそうにころころしている婚約者の頭を優しく撫でる
「ふぁん・・・耳の裏も撫でて~」
「ころころ・・・もう少しワシワシ撫でてよ~」
そんなパートナーの反応に微笑みながら
「「はいはい」」
同時に注文をこなしていった
途中、ハイコドが小さくふぅ、とため息を付いた
「どうしたんだい?」
「いやさ、もうすぐ結婚・・・・って言っても実感が無くてさ・・・だってまだ18だよ?これから大人になるって言う歳なのに夫婦になって、きっと子どももできる・・・それが信じられないと言うか」
「ちょっと怖い?」
「そうそう、そんな感じ」
青丹は手に持っていたコーヒーが入った紙コップを置き、優しく聴かせるように話し始めた
「・・・そうだね僕と緋音ちゃんの話で言うとね、緋音ちゃんがハイコドと同じ歳でハイコドは生まれているんだよ」
「知ってる、大変じゃなかった?」
少し苦笑気味に
「大変なんてものじゃないよ、近所の目は大変だし僕は高卒でようやく仕事を覚え始めた時だったからね」
18年前といえばまだパラミタが出現する前、どんなに分かっていてもパラミタ人が見える人がいるか居ないかの瀬戸際、ほとんどオカルト話で雑誌に『幽霊が見える人続出!?』なんて記事が本当に少しだけあった時代
今なら幼い人が子供がいたってそこまで驚いたり好奇の目で見られることは無かったが緋音はその時元レディース、青丹は新米会社員
世間の目は厳しかったはずだ
「だからね、ハイコドとソランちゃんには少しでも楽に過ごして欲しいんだ」
それは厳しさを知っているからこその優しさ
けれどもハイコドからすればそれは違った
「父さんそれは違うよ、自分たちが苦労したから子供たちは楽に僕もソランもこれからは大人になるんだよ?だったら自分たちの足で立っていかないと」
「・・・よく言った、それでこそ僕の息子だ」
-僕達は誰の助けも借りない、僕達は自分たちの足で歩いていきます
昔、自分の両親に青丹が言った言葉
ついでに まぁ、その後すぐ土下座して助けてもらったけどね
と声を出さずに苦笑した父親を見て息子は首をかしげながらも
あぁ、何か思い当たる節や話が有るんだな と思った
「ねぇソラ、どう思・・・・あらら」
「こっちも」
二人の『夫』は自分の膝枕ですやすや寝てしまっている『妻』を見て愛おしくなった
「母さんもそんな寝顔するんだね」
「そうだよ、いつも緋音ちゃんはハイコドにきつく当たるけどね本当は甘えたり甘えられたいんだよ」
その話を聞いてハイコドは正直ビビった。あの乱暴女が自分に甘えたり甘えられたいだと!?
「ほら、あの三年間の所為でハイコドと緋音ちゃんには家族としての・・・親子としては致命的な溝ができてしまったよね?でもさ、もうハイコドもわかっているんだろ?もう『許している』って」
「・・・・・」
「だったらさ、僕も緋音ちゃんに言っておくからさ・・・もういちどちゃんと親子としてやり直さない?半分以上が喧嘩仲間としての親子じゃなくて、殺しあったり傷つけあったりしない100%本当の親子に・・・・」
ハイコドはソランを起こさないようにそっと寝かせて静かに立ち上がった
そのまま小屋の外へ出る
「ごめん、たぶんそれは無理だよ父さん。もう・・・・遅いんだ」
超感覚を持つ契約者だからこそ聞こえる
そんな小さな声でハイコドはごめんなさいと言った
「だってさ、緋音ちゃん」
膝枕をされている赤いポニーテールに向かって小さく声をかける
「・・・気づいてたのかよ」
「夫だもん、そのくらいわかるよ」
緋音はプクーとハリセンボンの様に膨らんでぷす-と空気をゆっくり吐き出した
「もう意地の張り合いなんだよこれは、私はアイツを誤解があったとは言え捨てた。ぶん殴った、殴られた、斬りつけた、斬られた・・・・・もう甘えたりできないんだよ、普通の母親のようにかまってやれないんだよ・・・・その資格は私にはもう無いんだ」
「だから『灰高登』・・・・一人でも雲まで高く登れる位強くなれって意味で緋音ちゃんがつけた名前・・・いいんだよ、泣いても」
ハイコドは一人であった不良時代を捨てるために『灰高登』を捨てた
緋音は自分が憎まれても、嫌われてもそれでも進んでほしいから『灰高登』と呼ぶ
そこから先の緋音の声はかすれて小さくなっていった
「・・・・泣いてなんか・・・いねーよバーカ・・・」
ポタポタとシズクが青丹の膝を濡らし、嗚咽が小屋の中に静かに響いていた
青丹は我が子をあやすように優しく抱きしめた
(・・・・・・起きれないんですけど)
ソランはそれから数十分後まで寝たふりをしないといけなかったとさ
つづく
青丹が来た次の日、今日は特訓は基礎(腕立て、腹筋、背筋、ランニング)のみとしてお休みの日になった
表面からすればノルマを合格とした息子たちへのご褒美に見えるだろうがそれは違った
二人を見るより夫とじゃれあう方を選んだのだ。
基礎だけであれば見ていなくても勝手に済ませるから
「にゃ~ん♡」
「よしよし、緋音ちゃんはかわいいね」
まるで飼い主とペットのようにじゃれあう夫婦
二人がそうしてじゃれあっている所を小屋の外からハイコドとソランは気配を消して覗いていた
「・・・ホント母さんがネコみたいだ」
「なんか可愛いね」
「だけどあれだよ?僕らを見たら猛獣と化すよ」
そうだよね とソランは相槌を打った
そのまま二人をそっとしておくためにまた走りに行こうとしたが小屋の中から青丹が声をかけた
「あ、二人とも入ってきていいよ。コーヒーでも入れるかい?」
____________
「ハイコド、そういえば学校の方はどうなんだい?」
夫の膝枕でごろごろしている妻の頭を優しく撫でる片手間にコーヒーをちびちびと飲む
「んー、普通っていうか・・・成績も平均以上維持してるよ」
こちらも膝枕で気持ちよさそうにころころしている婚約者の頭を優しく撫でる
「ふぁん・・・耳の裏も撫でて~」
「ころころ・・・もう少しワシワシ撫でてよ~」
そんなパートナーの反応に微笑みながら
「「はいはい」」
同時に注文をこなしていった
途中、ハイコドが小さくふぅ、とため息を付いた
「どうしたんだい?」
「いやさ、もうすぐ結婚・・・・って言っても実感が無くてさ・・・だってまだ18だよ?これから大人になるって言う歳なのに夫婦になって、きっと子どももできる・・・それが信じられないと言うか」
「ちょっと怖い?」
「そうそう、そんな感じ」
青丹は手に持っていたコーヒーが入った紙コップを置き、優しく聴かせるように話し始めた
「・・・そうだね僕と緋音ちゃんの話で言うとね、緋音ちゃんがハイコドと同じ歳でハイコドは生まれているんだよ」
「知ってる、大変じゃなかった?」
少し苦笑気味に
「大変なんてものじゃないよ、近所の目は大変だし僕は高卒でようやく仕事を覚え始めた時だったからね」
18年前といえばまだパラミタが出現する前、どんなに分かっていてもパラミタ人が見える人がいるか居ないかの瀬戸際、ほとんどオカルト話で雑誌に『幽霊が見える人続出!?』なんて記事が本当に少しだけあった時代
今なら幼い人が子供がいたってそこまで驚いたり好奇の目で見られることは無かったが緋音はその時元レディース、青丹は新米会社員
世間の目は厳しかったはずだ
「だからね、ハイコドとソランちゃんには少しでも楽に過ごして欲しいんだ」
それは厳しさを知っているからこその優しさ
けれどもハイコドからすればそれは違った
「父さんそれは違うよ、自分たちが苦労したから子供たちは楽に僕もソランもこれからは大人になるんだよ?だったら自分たちの足で立っていかないと」
「・・・よく言った、それでこそ僕の息子だ」
-僕達は誰の助けも借りない、僕達は自分たちの足で歩いていきます
昔、自分の両親に青丹が言った言葉
ついでに まぁ、その後すぐ土下座して助けてもらったけどね
と声を出さずに苦笑した父親を見て息子は首をかしげながらも
あぁ、何か思い当たる節や話が有るんだな と思った
「ねぇソラ、どう思・・・・あらら」
「こっちも」
二人の『夫』は自分の膝枕ですやすや寝てしまっている『妻』を見て愛おしくなった
「母さんもそんな寝顔するんだね」
「そうだよ、いつも緋音ちゃんはハイコドにきつく当たるけどね本当は甘えたり甘えられたいんだよ」
その話を聞いてハイコドは正直ビビった。あの乱暴女が自分に甘えたり甘えられたいだと!?
「ほら、あの三年間の所為でハイコドと緋音ちゃんには家族としての・・・親子としては致命的な溝ができてしまったよね?でもさ、もうハイコドもわかっているんだろ?もう『許している』って」
「・・・・・」
「だったらさ、僕も緋音ちゃんに言っておくからさ・・・もういちどちゃんと親子としてやり直さない?半分以上が喧嘩仲間としての親子じゃなくて、殺しあったり傷つけあったりしない100%本当の親子に・・・・」
ハイコドはソランを起こさないようにそっと寝かせて静かに立ち上がった
そのまま小屋の外へ出る
「ごめん、たぶんそれは無理だよ父さん。もう・・・・遅いんだ」
超感覚を持つ契約者だからこそ聞こえる
そんな小さな声でハイコドはごめんなさいと言った
「だってさ、緋音ちゃん」
膝枕をされている赤いポニーテールに向かって小さく声をかける
「・・・気づいてたのかよ」
「夫だもん、そのくらいわかるよ」
緋音はプクーとハリセンボンの様に膨らんでぷす-と空気をゆっくり吐き出した
「もう意地の張り合いなんだよこれは、私はアイツを誤解があったとは言え捨てた。ぶん殴った、殴られた、斬りつけた、斬られた・・・・・もう甘えたりできないんだよ、普通の母親のようにかまってやれないんだよ・・・・その資格は私にはもう無いんだ」
「だから『灰高登』・・・・一人でも雲まで高く登れる位強くなれって意味で緋音ちゃんがつけた名前・・・いいんだよ、泣いても」
ハイコドは一人であった不良時代を捨てるために『灰高登』を捨てた
緋音は自分が憎まれても、嫌われてもそれでも進んでほしいから『灰高登』と呼ぶ
そこから先の緋音の声はかすれて小さくなっていった
「・・・・泣いてなんか・・・いねーよバーカ・・・」
ポタポタとシズクが青丹の膝を濡らし、嗚咽が小屋の中に静かに響いていた
青丹は我が子をあやすように優しく抱きしめた
(・・・・・・起きれないんですけど)
ソランはそれから数十分後まで寝たふりをしないといけなかったとさ
つづく
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