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・・・ギャース、更新があまりできてなかった!!!

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ジャカジャカワイワイ

ねーちゃん、生2つ!

チャランチャラン

らっしゃーーーい!

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拍手

「おっちゃん、鳥皮6本おねがい!」

「あいよー、赤髪のねーちゃん!」

「やだもー、ねーちゃんなんて歳じゃないよー!」

とか言いながら嬉しそうにしているということはまんざらでもないらしい

「・・・」

「どうした灰高登、金ないのか?」

「居酒屋の代金くらい払えるよ、これでも店も順調なんだから」

ツァンダ、中心街にある居酒屋

そこで僕は母さんに呼び出されこうして向かい合い、夜飯を食べている

今までならどんな場面だろうと一回は攻撃(主に肉体的)が繰り出されるのだが

今日はまだ拳を突き出すどころか構えてもいない

「で、何のよう?本当に焼き鳥食べるためだけの呼んだのか?」

へいおまち、と店主の気持ちいい声と共にテーブルに鳥串が乗った皿が置かれる

ども、といいながら串に手を伸ばしまずは一口

炭火焼特有の香ばしさと強過ぎない塩加減、皮は表面がこんがりと中からは油がかむたびに溢れだしてくる

久々にうまい鳥串に遭遇した

「うまいだろ?私のお気に入りなんだ、ここ」

ニカッとはにかみながらこっちを見てくる

こんな顔を見るのは久しぶりだ

いつもの様な毒加減と腕力のかけらも見えないことに心のどこかで戸惑っていた

「まぁ・・・・うまい」

口ではそう言いながらも二本目に手を伸ばしてしまう

「私は酒にするがお前は?」

「未成年に酒勧めるなよ・・・ジンジャーエール」

「すみませーん、ネギま2、豚串3、つくね5、鶏もも1、軟骨一皿、タコザンギとジョッキ生にジンジャーお願いー」

「どんだけ食うんだよ!?」

「いーだろ?昼から何も食ってないんだから」

ぷーぷー言いながらメニュー表を見る姿はどう見てもファミレスで何を食べるか迷っている子供にしか見えなかった

「・・・鳥串の旨さで忘れるところだったけど、用はなんなのさ」

すっかり忘れていた

「あぁ、何・・・世間話さ。私の従姉妹に息子生まれたんだって」

「へぇ、そりゃまたおめでたいことで」

「圭太くんだって写真見たけどかわいいぞ~、やっぱり子供はいいねぇ」

子供か・・・

自分には関係ない とはいえなくなっているからなぁ

「なんだよそんなニヤニヤして、キモチワルイ」

「う、うっさい!」

「どうせソランちゃんとの子供のこと考えていたんだろ?」

図星である

ついでに、惚気顔だからすぐわかるんだよエロ狼と付け加えられた

そこまでひどい顔してたのか自分・・・と思いながら一言一言が胸に突き刺さる

主にエロ狼の部分が

ずーんと沈んでいるところでさっき注文した物がテーブルに手早く並べられていく

「軟骨、レモンかけていい?」

とか言いながらすでにレモンのスライスをつまみ潰して果汁を揚げたての軟骨からあげにかけている

「・・・かける前に言えよ」

「こりゃ失敬」

すこしばかり恨めしそうに緋音を睨みながらも口の中に一欠片軟骨を放り込む

軟骨特有の食感と味付けが病みつきになりそうだ

どうせならご飯が欲しい・・・が、時間も時間なので我慢することにした

「あ、そうだいい忘れてたけどおまえ、結婚したらジーバルス性な」

「ふーん、そりゃまた」

・・・・・・・・・・・・ん?待てよ、今なんて言った?

「悪いけど戻って言ってくれる?」

「惚気顔だからすぐわかるんだよエロ狼」

「誰がそこまで戻れと言った!!」

「だから、ジーバルスの家の者になるんだよ」

「誰が」

「お前」

「me?」

「Yes」

少しの沈黙の後

あはははは、とお互いに笑い出し

「ふざけんなコンニャロ!勝手に決めてんじゃないよ!!!」

ガダン!とテーブルに拳を叩きつけ怒りを露わにする

周りの客が見ているがそんなことはどうでもいい

「ん、ソランちゃんも青丹もみーんな了承してるぞ?お前だけ」

こりゃひでぇ、思わず頭を抱える

そこまで僕をいじめるのが楽しいですかみなさん

ハイコド・ジーバルス、なんか言いづらい

・・・・いっそのことハコに改名してくれようか

そもそも竜螺ソランのほうがいいじゃん!

「あ、ミントもセキハも竜螺家にはソランちゃんをやらん、だそうで」

退路が絶たれた、ソランもハイコド・ジーバルスに賛成してる時点で予想はできたことだが

もうヤケクソ気味に串を頬張る

話しているうちに少し冷めてしまったがそれでも十分美味しい

「わかったよ・・・僕はジーバルスに婿入りします」

「え?」

「・・・え?」

なんだろうか、なにかおかしなことを僕は言っただろうか

「嫁入りだろ?」

「どこまで人を弄りゃ気が済みますかアカネサン!!!」

あー疲れる

「まぁ、それも置いとい・・・じゃないか」

むーと口元を抑えながら微妙に眉間にシワを寄せて何かに迷っている

「なぁ灰高登、お前はもう竜螺じゃないよな」

「何を言い出すかと思えば・・・そうするって今そっちが言ったじゃないか」

「いや、そのな・・・」

頭を抱えたりうつむいたりビールを一気飲みしたりなんだか忙しない

いつもの事といってしまえばそれでおしまいだが


「・・・・・仲直りしない?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?

今なんて言った?仲直り?へっ?いやいやいや、聞き間違えだろう
コイツがそんなことを言うのは天地がひっくり返る時か僕が死ぬと・・・縁起でもないことを思ってしまった
ともかく仲直り?

「いやさ、今の殴って殴られての関係を流石に続けるわけにもいかないだろう?あと一年もあればお前らにも子供ができるわけで、それは私に孫ができるということだ。孫が自分の父親と祖母が殴りあっている所を見てどう思う?教育上悪いだろ?だからさ、結婚前に和解というかなんというか・・・」

おい、すぐさま子供できること確定か

「はぁ....それじゃ、母さん」

「・・・何?」

僕は両手を肩幅の広さでそっと机に添える

「いいのかい?」

「ここでつっかえしたらもう現状維持のままだろ、仕方ないから・・・だ」

「・・・それじゃあ」

母さんも僕と同じように机に手を添える

「「長いこと意地はってごめんなさい」」

僕らは机に額がぶつかりそうになるくらい頭を下げて、お互いに謝罪した





「やっほーいミーントー」

夜遅く、インターホンがなり誰かと思えば

へべれけ状態の緋音がそこにいた

「い~や~、灰高登仲直りできたよ~ひっく」

「それはよかったわね」

「灰高登膝枕してもらったの~、あの人と同じ感じだったの~ひくゅ」

「そう」

「・・・いつの間にか、あんなに大きくなっていたのね」

私に絡み付くようにくっついていた緋音ちゃんは不意に天井を見上げた

「意地を捨てたら、おんぶしてもらったり、抱きついたり、毛づくろいしてもらったり・・・・いろいろしてもらえた」

それって親子のすることなのかしら?

「あたしって馬鹿だねー、向こうが拒絶するからってこっちからも拒絶したらそりゃ仲悪くなるわ」

「いいんじゃない?そういう親子がいても」

「いや、だめでしょ」

「「・・・・・」」

「あはは」

「たははは!」

笑った緋音ちゃんはどこか吹っ切れて清々しいほど生きている、って顔をしていたように見えた



おしまい






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