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10/10 矛盾を修正
何年も経って私はあの子の事から吹っ切れたと思っていた・・・
けど違う、逃げてたんだ
ニーナの事も、ソランの事も
もう逃げない.....それがあの子の最期に居ることが出来なかった償いだから
-ミント・ジーバルス-
何年も経って私はあの子の事から吹っ切れたと思っていた・・・
けど違う、逃げてたんだ
ニーナの事も、ソランの事も
もう逃げない.....それがあの子の最期に居ることが出来なかった償いだから
-ミント・ジーバルス-
____________
前回のアンケート結果により
緋音の行動は
『ヒントを出すだけ。答えを“与え”ては意味なんてない』
になりました
____________
ジーバルス家・リビング
・・・いや、元リビングといったほうが正しいかもしれない
先ほどの竜螺親子の乱闘(というより一方的な暴力)によって庭とリビングを隔てる窓ガラスは砕け散っておりもはや庭の一部分と言っても間違えではないだろう
ちなみに奇跡的なのか家具や電化製品にはダメージが一切ない
一度死にかけたハイコドもミントと緋音(無理矢理手伝わされた)の二人の回復魔法で何とか普段通りには動ける程度には復活した
そしてここまで状況をひどくした張本人は・・・
長椅子を占領して寝っ転がり、頬杖をついていた
しかもめんどくさそうに ・・・・顔が真面目ならブッタのように・・・見えないな、うん
そのとばっちりとして信と風花は床で体育座りである
そして今この場にいるのは
緋音、ミント、ハイコド、信、風花の五人
(ハイコドだけなら教える気なんてサラサラねーけどソランちゃんがずっぷりと関わってるしなー・・・かと言って全部教えたらこのガキンチョは成長しないし・・・だからほっとくとかしたらいつまでも解決しなさそうだし・・・ヒントくらいにしとくか)
「うーし、それじゃ色々教えるにしてもそっちの状況を知らんといけないからソランちゃん連れてこい」
・
・
・
10分後、ハイコドと風花に連れられてソランが来た
ハイコドがソランから離れる時に比べればまだましな方ではあるがそれでもヒドイ顔、ということにはかわりなかった
まるでもうすぐ自分は死ぬことがわかっている人間のように
「おばさま・・・」
「あーあー、美人さんが台無しだよ」
「すみません・・・」
先ほどまでハイコドが座っていたところにソランが座るがあまりにも弱々しかった
「じゃ、まず二人が思い出した事を言ってもらおうか」
そうしてハイコドとソランが説明を始めると緋音もミントも目をつぶり、話し終えるまでは一切口を挟まなかった
ハイコドもソランも自分が思い出したことを全て隠さず話した。自分の夢の中に出てきたニーナがどんな事を言ったか、ということも含めて
「・・・これで終わりです」
話を聞き終えた緋音は流石に此処から先は寝っ転がって言うのはダメと思ったかよっこらせと椅子に座りなおした
相変わらず腕を組んでふんぞり返ってはいるが・・・
「よーし、それじゃぁ・・・」
一呼吸おき
「結構間違っとる」
「間違っているって・・・何が?」
いまいち緋音が言ったことが分からずハイコドが聞き返した
「あんたら二人が思い出した記憶が・・・さ、そうだね例を出すならニーナの傷だね、確かに背中に傷はあったが骨が見えるほどじゃないしソランちゃんはあの時目を伏せていたからね背中の傷を見て、長い年月がそれを大げさに見せた」
そこまで言って緋音は話すのを止めた
ミントが耳を塞いでうつむいていたから
「すまん・・・・他のにすればよかったね」
「いいの、もう向き合わないといけないから・・・あの子の死と遺言を」
「遺言?」
今までなかったキーワードにハイコドが尋ねる
「あぁまだ言ってなかったね、私が全て知っているっていうのはニーナの遺言のことさ」
信が疑問を言う
「ちょっと、待った・・・さっきの話を聞く限り緋音さんと姐さんはニーナさんの最期を見ていたんだろ?」
「だーから言ったろ?間違えがあるって、そこも一つなんだよ【聞いていたのに聞いていない】」
信が続けて質問しようとしたが緋音はそのまま話を続けた
このまま一回一回止められたら話が進まないので
「で、私が答えを言うのは簡単だ。だけど今回はあんたら二人の問題で物語でもある、そこに正解を答えをエンディングを知っている私が言ったらお前らの物語ではなくなるしつまらん、なのでヒントを言ってやる」
一呼吸置いている間に風花がポケットからメモ帳とペンを取り出してメモをする用意を整えた
「一つ目、ジーバルス家 2つ目、アルバム 3つ目、目」
それだけしか言わなかった
たった3つ、だが3つしか言わなかったということは今回の問題を解決するのにはこれだけあれば十分ということになる
「それだけ・・・?」
誰ともなくそう呟いた
「ん、それだけ・・・まぁこれ以上言うと答えのようなもんだし、今のヒントで私が知っていることと言うより二人の思い出した記憶のおかしな所を全て当てたらニーナの遺言を教えてやるこれでどうだ?」
「要するにゲームってか」
「そ~いうことだ馬鹿息子」
「ミントさん、アルバムってどこにあります?」
「・・・ついてきて」
そう言ってハイコドたちはミントについていった
挑発したつもりがスルーされてしまった
それだけハイコドにとって今回のことが重要だということだろう
「で、あんたは行かないのか?」
テーブルの上に残されたワイングラスに入っているワインを飲み干し、テレビの電源を入れながら緋音はリビングに残った信に尋ねた
「まぁちょっと聞きたいことがあってね」
____________
ジーバルス家・寝室
ダブルベットとクローゼットのみ置いてあり、全体に白と茶色でカラーリングされ落ち着いた雰囲気の部屋
ミントはクローゼットの後ろに手を入れて何かのスイッチを入れる
すると観音開きのようにクローゼット本体が動き、壁の中にあるスペースがあらわれた
上下三段のスペースがあり、上下には本・・・おそらくアルバムが置いてあって中央のスペースには写真立てが1つだけぽつんと置かれていた
ハイコドはその写真立てを手に取り呟いた
「ニナ・・・・」
「この人がソラ姉様のお姉さまなのですね・・・」
「うん・・・・」
しょんぼりとした雰囲気になってしまう
ハイコドは自分の頬をパンッ!と叩き元に戻る
「はいはい!ソランのためにもまちがい探しやるぞ!」
そう言って下の段のアルバムから手にとって広げていく
が、すぐさま閉じた
「ハコ兄様?どうしました?」
「ナンデモナイナンデモナイ、サァツギノアルバムトッテ」
ソランがあやしがってハイコドが見たアルバムを開く
「・・・・・・っ~~~~~!!!!」
そしてハイコドの後頭部を思いっきり殴る
ちなみに二人が見たのは【ソランが生まれた直後の写真】だった
・・・この一瞬だけソランの表情が普段通りに戻っていたのは内緒である
____________
再びリビング
「で、聞きたいことってなんだい」
携帯ゲーム機をピコピコ動かしながら緋音は聞いた
「姐さんのことですよ・・・ハイコドが記憶を失ったのはパートナーロストだって分かる、けど姐さんはどうなんだ?」
他の人は当たり前のようにその事を受け流していたが信だけそのことを気になった
が、一蹴される
「あー、少し考えりゃ分かっだろ。姉が目の前で死んで好きな奴が目の前でくたばりそうになったんだぞ、そーなったらお前あれしかないだろ」
「PTSD・・・?」
「とは違うな、ソランちゃんはPTSDの症状と一致しないからな・・・・まぁその部類ってとこだろ」
「なんか釈然としないが・・・まぁいいです」
「あ、そうだ信」
「なんですか」
「お前にだけ、答え言ってやるよ」
「・・・・は?」
____________
寝室
大体半分くらいアルバムを見終わっただろうか
ふと風花があることに気づいた
「そういえばミントさん、さっき緋音さんが【ジーバルス家】ってヒントを出してましたが何かわかります?」
ペタペタと重要そうな写真があるページに付箋を貼りながらではあるが兎耳はミントの方に向けていた
・・・長い耳って便利
「どう・・・かしら、私もいまいち分からないのよ・・・何を知ってるのかしら緋音は」
ジーバルス家の者よりなぜ竜螺家の緋音が詳しいのか・・・
うーんとミントは首をかしげていた
風花が何か見つけたのか耳がピョコンと動いた
「あ、これってミントさんですか?」
風花が見つけた写真はミントとセキハがうつっていた
写真の日付を見るかぎり10年以上前のもののようだ
ハイコドも風花が見終えた写真を見ていく
「あれ、ミントさんの眼の色が違うような・・・あ、こっちの人・・・同じ人なのに眼の色が違う」
「これって・・・・・」
ハイコドがなにか気づいたようでミントに駆け寄る
「ミントさん、超感覚って解けます?」
「ええ・・・できるけど」
そう言ってミントが超感覚を解除すると狼の耳と尻尾が消え、
虹彩が青色から黄色へと変化した
ミントはどうかした?という顔をしているのに対し
ハイコドと風花はただあんぐりと口を開くことしか出来なかった
「ミントさん・・・ジーバルスの人って超感覚発動すると虹彩の色が変わるとかあります・・・?」
「ええ・・・そうだけど?」
(本当にヒントの『ジーバルス家』がのことならすでにソランが言っていた事で大体合っているはず・・・なんでこれがヒントなのか・・・)
ハイコドはさっきソランが言ったことを思い出してみた
その中で
-その耳も尻尾もついでに目も私のものだってこと-
というフレーズが引っかかった
(・・・これって)
「ごめん、ちょっと母さんのところに行って来る・・・あれソランは?」
一旦寝室からリビングへ戻ろうとしたがソランが見当たらず部屋を見回す
するとベットにふとんの山が一つできていた
「寝ちゃってるわ・・・しょうがないわよね、いきなり多くの事を思い出したもの・・・ハド君は大丈夫?」
「僕は大丈夫です、自分を責めていなかったので・・・それじゃ一旦リビングに行ってきます」
それだけ言ってハイコドは寝室を後にした
・・・本当のことを言えば結構キツイ、だが自分を責めて夢の中とは言え実の姉に完膚無きまで責められたソランの事を考えたらまだ頑張れる そう思えた
____________
リビング
「・・・なるほど、そういう事だったか」
信は緋音から『答え』をすべて聞いたがまだ腑に落ちないところがあった
「でもそれだと例の1つだけわからないままですよ」
緋音は一旦ゲームを中断し仰向けに寝転がり、顔に手を当てる
ふぃーと溜め息をつきながら
「そ~なんだよな・・・・そこなんだよ実物見ないと正解が分からないんだよ、だけど実物が無い・・・」
そこにハイコドがリビングに入ってきた
リビングの中にガラスが飛び散っていなかったので二人で掃除したのだろう
こういうところだけは面倒臭がらずやるんだよなぁと思ったが、この時のハイコドは緋音が専業主婦ということを完全に忘れていた
「母さん、とりあえず一つは分かったけど・・・正解かどうか分からなくてさ」
「とりあえず言ってみ」
「ジーバルス家、ってヒントは超感覚を使うと目の色も変わってしまうってことでいいのかな」
とりあえずここまでは正解だろ、と言う所で止めておく
緋音の性格ならば
「で?続きは?」
と来るはずだから
「ソランの超感覚はニーナからもらったものじゃなくてソラン自身のもの・・・・でいいのかな」
「うい、一つ目正解・・・ほら、ぼうっとしないでさっさと行ってこんかい」
しっしっ、手で命令しながらまた緋音はゲームを始めた
それを見てハイコドはまた寝室へと戻って・・・・
「あ、スマンこれないと分からないと思うから渡しておくよ」
そう言うとハイコドに一枚の写真を投げ渡す
「ん、わかった」
写真を受け取って今度こそハイコドはリビングから出ていった
そしてそれまでテレビを見ていた信が
「緋音さん、もはやそれじゃ教えてるようなもんですよ・・・・」
「うっせ、あいつだと絶対見逃したりすると思ったからだよ」
あぁ、この人は・・・・・ホントは息子に甘いんだ
ただ早く大人になってほしいから殴ったりするけど
そう思ったが言ったら殴り殺されそうなので止めておいた
『緋音と母親と間違い探し』
続く
前回のアンケート結果により
緋音の行動は
『ヒントを出すだけ。答えを“与え”ては意味なんてない』
になりました
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ジーバルス家・リビング
・・・いや、元リビングといったほうが正しいかもしれない
先ほどの竜螺親子の乱闘(というより一方的な暴力)によって庭とリビングを隔てる窓ガラスは砕け散っておりもはや庭の一部分と言っても間違えではないだろう
ちなみに奇跡的なのか家具や電化製品にはダメージが一切ない
一度死にかけたハイコドもミントと緋音(無理矢理手伝わされた)の二人の回復魔法で何とか普段通りには動ける程度には復活した
そしてここまで状況をひどくした張本人は・・・
長椅子を占領して寝っ転がり、頬杖をついていた
しかもめんどくさそうに ・・・・顔が真面目ならブッタのように・・・見えないな、うん
そのとばっちりとして信と風花は床で体育座りである
そして今この場にいるのは
緋音、ミント、ハイコド、信、風花の五人
(ハイコドだけなら教える気なんてサラサラねーけどソランちゃんがずっぷりと関わってるしなー・・・かと言って全部教えたらこのガキンチョは成長しないし・・・だからほっとくとかしたらいつまでも解決しなさそうだし・・・ヒントくらいにしとくか)
「うーし、それじゃ色々教えるにしてもそっちの状況を知らんといけないからソランちゃん連れてこい」
・
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10分後、ハイコドと風花に連れられてソランが来た
ハイコドがソランから離れる時に比べればまだましな方ではあるがそれでもヒドイ顔、ということにはかわりなかった
まるでもうすぐ自分は死ぬことがわかっている人間のように
「おばさま・・・」
「あーあー、美人さんが台無しだよ」
「すみません・・・」
先ほどまでハイコドが座っていたところにソランが座るがあまりにも弱々しかった
「じゃ、まず二人が思い出した事を言ってもらおうか」
そうしてハイコドとソランが説明を始めると緋音もミントも目をつぶり、話し終えるまでは一切口を挟まなかった
ハイコドもソランも自分が思い出したことを全て隠さず話した。自分の夢の中に出てきたニーナがどんな事を言ったか、ということも含めて
「・・・これで終わりです」
話を聞き終えた緋音は流石に此処から先は寝っ転がって言うのはダメと思ったかよっこらせと椅子に座りなおした
相変わらず腕を組んでふんぞり返ってはいるが・・・
「よーし、それじゃぁ・・・」
一呼吸おき
「結構間違っとる」
「間違っているって・・・何が?」
いまいち緋音が言ったことが分からずハイコドが聞き返した
「あんたら二人が思い出した記憶が・・・さ、そうだね例を出すならニーナの傷だね、確かに背中に傷はあったが骨が見えるほどじゃないしソランちゃんはあの時目を伏せていたからね背中の傷を見て、長い年月がそれを大げさに見せた」
そこまで言って緋音は話すのを止めた
ミントが耳を塞いでうつむいていたから
「すまん・・・・他のにすればよかったね」
「いいの、もう向き合わないといけないから・・・あの子の死と遺言を」
「遺言?」
今までなかったキーワードにハイコドが尋ねる
「あぁまだ言ってなかったね、私が全て知っているっていうのはニーナの遺言のことさ」
信が疑問を言う
「ちょっと、待った・・・さっきの話を聞く限り緋音さんと姐さんはニーナさんの最期を見ていたんだろ?」
「だーから言ったろ?間違えがあるって、そこも一つなんだよ【聞いていたのに聞いていない】」
信が続けて質問しようとしたが緋音はそのまま話を続けた
このまま一回一回止められたら話が進まないので
「で、私が答えを言うのは簡単だ。だけど今回はあんたら二人の問題で物語でもある、そこに正解を答えをエンディングを知っている私が言ったらお前らの物語ではなくなるしつまらん、なのでヒントを言ってやる」
一呼吸置いている間に風花がポケットからメモ帳とペンを取り出してメモをする用意を整えた
「一つ目、ジーバルス家 2つ目、アルバム 3つ目、目」
それだけしか言わなかった
たった3つ、だが3つしか言わなかったということは今回の問題を解決するのにはこれだけあれば十分ということになる
「それだけ・・・?」
誰ともなくそう呟いた
「ん、それだけ・・・まぁこれ以上言うと答えのようなもんだし、今のヒントで私が知っていることと言うより二人の思い出した記憶のおかしな所を全て当てたらニーナの遺言を教えてやるこれでどうだ?」
「要するにゲームってか」
「そ~いうことだ馬鹿息子」
「ミントさん、アルバムってどこにあります?」
「・・・ついてきて」
そう言ってハイコドたちはミントについていった
挑発したつもりがスルーされてしまった
それだけハイコドにとって今回のことが重要だということだろう
「で、あんたは行かないのか?」
テーブルの上に残されたワイングラスに入っているワインを飲み干し、テレビの電源を入れながら緋音はリビングに残った信に尋ねた
「まぁちょっと聞きたいことがあってね」
____________
ジーバルス家・寝室
ダブルベットとクローゼットのみ置いてあり、全体に白と茶色でカラーリングされ落ち着いた雰囲気の部屋
ミントはクローゼットの後ろに手を入れて何かのスイッチを入れる
すると観音開きのようにクローゼット本体が動き、壁の中にあるスペースがあらわれた
上下三段のスペースがあり、上下には本・・・おそらくアルバムが置いてあって中央のスペースには写真立てが1つだけぽつんと置かれていた
ハイコドはその写真立てを手に取り呟いた
「ニナ・・・・」
「この人がソラ姉様のお姉さまなのですね・・・」
「うん・・・・」
しょんぼりとした雰囲気になってしまう
ハイコドは自分の頬をパンッ!と叩き元に戻る
「はいはい!ソランのためにもまちがい探しやるぞ!」
そう言って下の段のアルバムから手にとって広げていく
が、すぐさま閉じた
「ハコ兄様?どうしました?」
「ナンデモナイナンデモナイ、サァツギノアルバムトッテ」
ソランがあやしがってハイコドが見たアルバムを開く
「・・・・・・っ~~~~~!!!!」
そしてハイコドの後頭部を思いっきり殴る
ちなみに二人が見たのは【ソランが生まれた直後の写真】だった
・・・この一瞬だけソランの表情が普段通りに戻っていたのは内緒である
____________
再びリビング
「で、聞きたいことってなんだい」
携帯ゲーム機をピコピコ動かしながら緋音は聞いた
「姐さんのことですよ・・・ハイコドが記憶を失ったのはパートナーロストだって分かる、けど姐さんはどうなんだ?」
他の人は当たり前のようにその事を受け流していたが信だけそのことを気になった
が、一蹴される
「あー、少し考えりゃ分かっだろ。姉が目の前で死んで好きな奴が目の前でくたばりそうになったんだぞ、そーなったらお前あれしかないだろ」
「PTSD・・・?」
「とは違うな、ソランちゃんはPTSDの症状と一致しないからな・・・・まぁその部類ってとこだろ」
「なんか釈然としないが・・・まぁいいです」
「あ、そうだ信」
「なんですか」
「お前にだけ、答え言ってやるよ」
「・・・・は?」
____________
寝室
大体半分くらいアルバムを見終わっただろうか
ふと風花があることに気づいた
「そういえばミントさん、さっき緋音さんが【ジーバルス家】ってヒントを出してましたが何かわかります?」
ペタペタと重要そうな写真があるページに付箋を貼りながらではあるが兎耳はミントの方に向けていた
・・・長い耳って便利
「どう・・・かしら、私もいまいち分からないのよ・・・何を知ってるのかしら緋音は」
ジーバルス家の者よりなぜ竜螺家の緋音が詳しいのか・・・
うーんとミントは首をかしげていた
風花が何か見つけたのか耳がピョコンと動いた
「あ、これってミントさんですか?」
風花が見つけた写真はミントとセキハがうつっていた
写真の日付を見るかぎり10年以上前のもののようだ
ハイコドも風花が見終えた写真を見ていく
「あれ、ミントさんの眼の色が違うような・・・あ、こっちの人・・・同じ人なのに眼の色が違う」
「これって・・・・・」
ハイコドがなにか気づいたようでミントに駆け寄る
「ミントさん、超感覚って解けます?」
「ええ・・・できるけど」
そう言ってミントが超感覚を解除すると狼の耳と尻尾が消え、
虹彩が青色から黄色へと変化した
ミントはどうかした?という顔をしているのに対し
ハイコドと風花はただあんぐりと口を開くことしか出来なかった
「ミントさん・・・ジーバルスの人って超感覚発動すると虹彩の色が変わるとかあります・・・?」
「ええ・・・そうだけど?」
(本当にヒントの『ジーバルス家』がのことならすでにソランが言っていた事で大体合っているはず・・・なんでこれがヒントなのか・・・)
ハイコドはさっきソランが言ったことを思い出してみた
その中で
-その耳も尻尾もついでに目も私のものだってこと-
というフレーズが引っかかった
(・・・これって)
「ごめん、ちょっと母さんのところに行って来る・・・あれソランは?」
一旦寝室からリビングへ戻ろうとしたがソランが見当たらず部屋を見回す
するとベットにふとんの山が一つできていた
「寝ちゃってるわ・・・しょうがないわよね、いきなり多くの事を思い出したもの・・・ハド君は大丈夫?」
「僕は大丈夫です、自分を責めていなかったので・・・それじゃ一旦リビングに行ってきます」
それだけ言ってハイコドは寝室を後にした
・・・本当のことを言えば結構キツイ、だが自分を責めて夢の中とは言え実の姉に完膚無きまで責められたソランの事を考えたらまだ頑張れる そう思えた
____________
リビング
「・・・なるほど、そういう事だったか」
信は緋音から『答え』をすべて聞いたがまだ腑に落ちないところがあった
「でもそれだと例の1つだけわからないままですよ」
緋音は一旦ゲームを中断し仰向けに寝転がり、顔に手を当てる
ふぃーと溜め息をつきながら
「そ~なんだよな・・・・そこなんだよ実物見ないと正解が分からないんだよ、だけど実物が無い・・・」
そこにハイコドがリビングに入ってきた
リビングの中にガラスが飛び散っていなかったので二人で掃除したのだろう
こういうところだけは面倒臭がらずやるんだよなぁと思ったが、この時のハイコドは緋音が専業主婦ということを完全に忘れていた
「母さん、とりあえず一つは分かったけど・・・正解かどうか分からなくてさ」
「とりあえず言ってみ」
「ジーバルス家、ってヒントは超感覚を使うと目の色も変わってしまうってことでいいのかな」
とりあえずここまでは正解だろ、と言う所で止めておく
緋音の性格ならば
「で?続きは?」
と来るはずだから
「ソランの超感覚はニーナからもらったものじゃなくてソラン自身のもの・・・・でいいのかな」
「うい、一つ目正解・・・ほら、ぼうっとしないでさっさと行ってこんかい」
しっしっ、手で命令しながらまた緋音はゲームを始めた
それを見てハイコドはまた寝室へと戻って・・・・
「あ、スマンこれないと分からないと思うから渡しておくよ」
そう言うとハイコドに一枚の写真を投げ渡す
「ん、わかった」
写真を受け取って今度こそハイコドはリビングから出ていった
そしてそれまでテレビを見ていた信が
「緋音さん、もはやそれじゃ教えてるようなもんですよ・・・・」
「うっせ、あいつだと絶対見逃したりすると思ったからだよ」
あぁ、この人は・・・・・ホントは息子に甘いんだ
ただ早く大人になってほしいから殴ったりするけど
そう思ったが言ったら殴り殺されそうなので止めておいた
『緋音と母親と間違い探し』
続く
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