忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


この世で最も強い敵は誰か分かる?
それは-自分-
諦めたくなったり、怠けたくなった時もそうだけど

自分に嘘をついて、いつの間にかそれが自分の中で真実になったら・・・
それは倒すことが困難な敵となる
嘘が真実で真実が嘘になるのだから

・・・・・まぁ僕の最強の敵は・・・あかねちゃんだけどね
いつも尻に敷かれてます、はい

     -竜螺 青丹- 

拍手

____________

ブシュッと小さく音がなり、血が吹き出す

「なにしてんだよ!ソラ!」

血でソラの銀色の髪が赤く染まっている
刀をぶんどり、投げ捨ててヒールを発動する
刀が壁に刺さったが気に止めない
ソラはうつむいたまま、ゆっくりと口を開いた

「・・・ハコ、私ねお姉ちゃんが居たんだ・・・・でも、昔私が殺しちゃった」

「っ!」

やはりソラもあの事を思い出していた
となるとやっぱり

「それでね、この耳もね尻尾も目もハコが好きって心もぜーんぶお下がりだって知っちゃった」

「ソラ」

「それでね、また忘れようとして耳を消そうとしたんだけどね、消えないから取っちゃえって思ったの」

「ソラ」

「ねぇどうしたら私の目は戻るの?どうすればお姉ちゃんの耳じゃなくて私の目でハコを見れるの?」

「ソラ!いい加減にしろ!」

回復も終わり、ソランの肩を掴んで引き寄せる
その時うつむいていたせいで見えなかったソランの顔が見えた
いつものような元気いっぱいな表情は見る影もなく
この世の終わり、のような顔をしていた

「お下がり?ふざけるな!僕の腕でもあるまいしそんなことがあってたまるか!その耳は、尻尾は、目は、紛れも無くソラ自身のものだ!!!」

「でもね、お姉ちゃん恨んでた」

「それはソラがあの時の事で自分を責めているからだ、僕だってあの時の事を思い出した。 それを言えば僕だってあの時川の側を歩こうって言わなかったらああはならなかった!」

「・・・ハコも思い出したんだね、でも・・・」

「チッ」

思わず小さく舌打ちしてしまった
ソランにここまでムカついたことがあっただろうか
・・・・いや、何を焦っているんだ自分は
こうなったら

「もういい!だったら証拠を持ってくる!いい、刀に触るな、目に触るな!!!帰ってきて自分を傷つけていたら許さないからね!」

おもいっきりドアを強く締める
・・・・なにやってんだよ、こういう時慰めるのが恋人ってもんじゃないのかよ!?
苛立たしい、何もかも

「おい、どうしたんだ?そんなピリピリして」

信が部屋から出てきた、鬱陶しい
・・・・いや違う

「信、僕は今からミントさんところに行って来る、ソランを見張っていてほしい」

「いやいや、見張れって言われても」

「チッ・・・・三行説明!僕とソランがあることを思い出した。ソランが精神不安定状態。それを何とかする手がかりはミントさん家!分かったか!?」

ごめん、信

「・・・よくわからんが、とりあえず姐さん見とけばいいんだな」

「・・・・・お願い」

僕はそのまま振り返らずに家を飛び出した
早くこのことを終わらせるために、早くソランに元に戻ってほしくて

____________

とりあえず状況整理しよう
私はいつものとおりミントの家で酒を飲んでいた
するとどういうことでしょう、窓ガラスがいきなりパリーンと割れてアホ息子が入って来ました
私の首にライトサーベル突き立てながら

「母さん・・・ちょーど良かった」

「おいおい、約2ヶ月ぶりだっていうのに大層なご挨拶だねぇ」

・・・コイツ何をそんなに焦っている?
これじゃ『灰高登』の状態となんら変わりないじゃないか

「あなた達・・・そういうのは外でやってよね」

ミントが茶をもって戻ってきた
まぁ誰だって自分ちの窓ガラスが粉々になって凶器つきつけてる親子見たらそうなるわな

「ミントさん・・・・・僕もソランもあの事・・・ニーナを思い出しました」

「!?」

「チッ、セキハの勝ちか面白くねぇ」

結局私らが言う前に思い出したか
で、コイツがここにいるってことは

「聞くけどソランちゃんは今どうなってる」

「思い出す時に変な思い出し方して自分を攻めまくってる、精神不安定だよさっき自分の耳を切り落とそうとした」

「あんたは?」

「落ち着けるためにソランの獣部分がソラン自身だって分からせれるものを探しっ」
そこまで言わせて私はコイツの顔を正面から80%の力でぶん殴った、ライトサーベルが肩を斬ったがこのくらい擦り傷と変わらねぇ
向かいの壁まで吹っ飛んでいった、なんか気に食わねぇからもう一発やっとくか


「お前バカか?お前はあの子の何だ?恋人だろ!?なら側にいやがれ!材料ほしいなら電話でも信でも使えばいいだろうが!この糞ガキ!」

「・・・・・・・・・・」

「ソラン!」

ミントはガキンチョの家の方へ走っていった、まぁ無理ねぇか
____________

ここで一旦ハイコドが飛び出すところまで時間を戻す





うーむ、ハイコドもなんかおかしかったし
とりあえず姐さんの様子見てみるか

「入るぞ-」

ドアを開けて姐さんの部屋に入る

「・・・・・なによ」

いつもの様な声ではなく威嚇に近い挨拶だった
(なるほど、精神不安定・・・ね)
そこに風花も起きたばかりなのか眠たそうに入ってくる

「おはようございますですわ・・・?どうかしましたの?」

とりあえず部屋から出て風花に説明する・・・と入っても詳しいことを知らないのはワタシも同じだが

「・・・・とりあえずお話してみますわ」

____________

風花が姐さんの部屋に入って5分が経った
とりあえずおかしな事は起こっていないようだ 

と思ったが次の瞬間
パンッ!という乾いた音と風花の荒げた声が聞こえてきた

「ふざけないでください!本気で言っているんですか!」

「・・・・・」

中を覗いてみるとどうやら風花が姐さんをビンタしたようだ
・・・あそこまで怒っている風花は初めて見た
ついでに開眼している

「何が『愛してるって思いもお下がり』ですか!例えそうだったとしても全力で好きって気持ちを貫くのがソラン・ジーバルスという人でしょう!?」

「知ったような口聞かないでよ・・・・好きな人が居ないあんたに何が分かるのよ!」

「わかりますわ!私にだって好きな人はいました!けど私をかばって狼に食われましたわ!何度も何度も何度も何度も自分があそこに居なければ、そう思いました。」

「・・・・・・」

「それに比べてあなたの愛する人は手を伸ばせば届くじゃないですか」

そこまで風花が言った所で姐さんが声を出した

「その時・・・風花はどうしたかった?」

「死にたくなりました」

「そう・・・・」

そこで会話は途切れ、静まる
少しだけ沈黙が続く

「・・・とりあえず、ハコ兄様がミントさんのところに行っているみたいですので見てきますね」

ソランは黙ってコクンと頷く
ワタシも少し一人にさせてあげようと思って風花についていく

家から出て少しした所でさっきのことを聞いてみた
・・・悪いとは思うが

「・・・その、さっきのことだけど・・・・」

「さっき?」

「その・・・死んだ彼の事・・・」

「あぁ、あれですか あれ、嘘です

・・・・・・・はい?
予想外の返事に思わずあんぐり

「そりゃぁ好きな人も居ましたし、居ます・・・でもああでも言わないとソラ姉様には効きませんから」

「おまえ・・・演劇部入れ・・・」

すこし頭が痛くなってきた・・・・ワタシって風花をこんな風に育て・・・・じゃなかったな、うん
そろそろミントさんの家に・・・ん?

「あら、ミントさんですわ」

向こうから猛スピードでミントさんが走ってきた

「信君!ソランは!?」

「えっと・・・」

この場合あの事を知っているとして・・・

「落ち着いているので大丈夫です、それよりハイコドがそっちに行ったはずですが」

するとミントさんは安心したのか、一回深呼吸して

「そう・・・よかった・・・・えっとハド君なら・・・行けば分かるわ、一緒に行く?」

ということでミントさんと一緒に行ってみると

地獄絵図だった
そこら中が血で赤く染まっており道路は半壊、アスファルトが石ころ状になってそこら中に転がっている
そこにハイコドと緋音さんは居た
・・・少し訂正、ハイコドらしき人が居た
左腕はほとんど吹き飛んでるし、血だらけのせいでもはや黒髪と着てた服の形でしか識別出来ない状態だ

「まだやっか、あぁん?」

緋音さんがハイコドの首元を片手で掴み持ち上げて壁(もはやひび割れて崩壊寸前)に押し付けていた
ハイコドは右手を何とか左腕に持って行き、義手を外し緋音さんに一撃を入れた
いくらレベルが違いすぎるとは言え金属の固まりで殴られれば一応鼻血が出た
ニィッと緋音さんは口角を上げ

「いい度胸じゃねぇか!」

開いている左手でハイコドを殴り続けた
・・・・・って実況してる場合じゃない!死ぬって!ハイコド死ぬって!
血吐いてるから!体中から血流れてるから!

「緋音さんストップストップ!死ぬ!それ以上は死ぬから!」





「あー、死ぬかと思った」

スペアの義腕をつけながらハイコドが言う
とりあえず緋音さんとミントさんの二人がかりで何とか瀕死状態から復活した
・・・あれって臨死に近いよな

「まったく、この糞ガキが恋人ほっといてこっち来るからいけねんだよ」

長椅子を一人で独占して頬杖つきながら言う
・・・お陰でワタシは床で体育座り

「で、なんだって?ソランがうんちゃらかんちゃらだっけ?」

完全にヤサグレてらっしゃる

「まー、今の状態からGOODエンドにもTRUEエンドにもBESTエンドにもできる答え持ってるけどさぁ」

あ、あるんだ

「どーしよーかなー」






『涙と血と分岐点』

続く







PR
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
Comment
Trackback
Trackback URL

Comment form
Title
Color & Icon Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字  
Comment
Name
Mail
URL
Password