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哀れとしか言い方がない

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それは親たちの会議

「で、どうするよ」

「それは・・・ジーバルス?」

「はぁーあ・・・これで竜螺に弟か兄がいればなー」

リビングにため息一つ

「そうなのよね・・・・って作ればいいじゃない」

「簡単に言いやがるねぇ、せめて5年前に言って欲しかったよ」

ここでジーバルスの事を言わないのは緋音も分かっているから

ワインセラーから取り出したワインも持ち、セキハも席に座る

「奥様二人は何を話しているのかな?ガールズトークか?」

「まったく、ガールって歳でも無いだろ?ただの姑候補の小競り合いさ」

グラスにワインを注ぎ、香りを楽しむ

「そうそう」

ミントはそう言ってつまみのサーモンとモッツァレラのカルパッチョを摘む

「それじゃあ舅も入っていいな」

ワインを一口飲む

「どうぞどうぞ・・・・・まぁ哀れむだけだろうけどねクックック」

「?」

「あなた、聞いてればわかるわよ」





今回の議題を言ってしまえば『嫁入りか婿入りか』

竜螺ソランか、ハイコド・ジーバルスか、という話になる。
ここで問題なのは、どちらも一人っ子ということだ

竜螺夫妻もジーバルス夫妻も自分たちの性にこだわりがあるというモノではない、しかし無くなってしまうというのはモノ惜しい(それって実際どうなんだという話だが)

という訳で本人(ほとんどハイコド)を無視した会議が行われているのだ

「哀れだな、坊主」

「ほら言った!」

「ちっ、あなたのバカ」

ミントの手から一枚のゴルダ硬貨が緋音に投げ渡される

「お前ら、そんな事で賭けするなよ・・・」

「はっはっは、まさかミント私の二つ名忘れたのかい?『豪運』!」

「むーーーー!」

「聞いちゃいないしな・・・」

緋音がミントを弄り、たまに弄り返される
それを夫二人が見ていたり止めたりする

こういうところは昔から変わらない、きっとこれからも変わらないのだろうとセキハは呆れ半分に思った


「話を戻すけど、どうしましょうか」

コイントスの要領で硬貨をサイドポーチに放り投げた緋音を見ながらミントはため息をつく
うーんと唸る女二人を見てセキハは本人に決めさせる事は考えていないなともう諦めていた

~♪ ~~~♫

「あ、あたしのケータイだ・・・・ちょいとごめんよ」

ピッピッピと手馴れた様子でメールをチェックする

「・・・・うし、決まった」

パタリと今どきにしてはちと珍しい折りたたみ携帯をしまいながら口元がにやけているのを変に思った

「どうかした?」

「従弟に男の子生まれた」

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

つまり、竜螺の名前が受け継がれる事が(ほぼ)確定したので


「馬鹿息子ですがよろしく貰ってやってくださいな」

「いえいえ、こちらこそ」

ハイコドはほぼ、婿入りすることが決定した





「哀れだな」






「クシュッ!」

「ハコ、風邪引いた?」

「い、今なんか悪寒が・・・・・・」


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