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もしも、十数年前
緋音とミント達が契約していなかったら
もしも
あんなことが起こらなかったら



そんな世界



だけどこの世界が最良とは限らない

09/07 ちょびっと追加

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_____________

2019年

僕、竜螺灰高登は至って普通の高校生だ
今まで不良と言われるような人と関わったこともないし、そりゃ母さんには迷惑かけるようなこともあったけど・・・

そんなことはさておき、今修学旅行で空京に来ています
「それじゃ、それぞれ自由行動していいが変な人について行くなよ!それと空京からは絶対に出ないこと!危ないからな!」
はーいとみんなで返事したところで各自自由行動に

どこ行こうか迷っているうちに健司がやってきた
「おーい、ハドどこ行くんだ?」
「んーとりあえず先にお土産買ってブラブラとかな・・・」
「そうか、気を付けろよ」
「そっちこそ由衣と仲良くね~♫」
そう言われて健司の顔が一気に赤くなった
「こ、こんにゃろ!お前もさっさと相手考えろよ!」
「そのうちね~」

このままだと追いかけっこになりそうだからさっさと退散することにしよう
もうあの二人付き合えばいいのに
まぁ僕もそのうち・・・・なんて言っているうちに高校生活も終わるんだろうな・・・
そう考えて肩を落とす




「デジカメ750Gか・・・・これなら札幌で買えるしやっぱり食べ物とかかな」
空京の店を見まわっていたが案外地球の方で売っているものと変わりが無かったりする
というか大まかに地球と違う所といえば契約者やパラミタ人が多いというところか
たぶんこれからも契約者は増えていくんだろうなぁ、と思いながらある物を見つけた
「あれは・・・?何?」

公園の茂みがなんだかガサガサとうごめいている・・・・
「・・・わからないからスルーし・・・よう」
いつもだったらここで回れ右をしていただろう、そうして面倒事をさけてきたから
だけど・・・今回はそれが出来なかった
「ちょっとだけ・・・ちょっとだけ・・・」
茂みの中をかき分けて覗いてみると
「キュー・・・・」
そこにはでっかい毛玉が鳴いていた
「うわぁ!?って、あれ兎?怪我してるのかな後ろ足から血が出てる」
僕が(おそらく)兎に触れようとすると兎は片足だけで威嚇のスタンピングをした
たぶん人か犬にいじめられたのだろう

「だいじょうぶだよ・・・ほら」
ゆっくりと手を伸ばす・・・が前足で思いっきり引っ掻かれてしまった。手のひらから血がにじむ
「プモッ!」
・・・兎ってキュー以外にプモッって鳴くんだね
「うーん・・・ほらコレお食べ」
本当はお昼用なんだけどお弁当のパンをちぎってあげる
「・・・・・もぐもぐ」
お腹が減っていたのか食べる食べる
「きゅー」
後ろ足を引きずりはしているが茂みから出てきてくれた
・・・・・ほんとおっきいうさぎだな、パラミタには大型動物がいるとは聞いていたけど
「おっと、後ろ足見せてくれる?手当してあげるよ」
傷を見る限りすりむいているだけのようだ、これなら手持ちの薬と包帯でできそうだな




「はい、おしまい」
とりあえず消毒と包帯は巻いておいた、走りまわったりするだろうからテープで止めるんじゃなくて固結びで
さて、楽しい体験も出来たしお土産を買う続きしないと
「じゃあね、うさちゃん」
手を軽く振りながら公園から去る・・・・筈だったけど後ろを振り返ると

ちょこん

ついてきている、ご丁寧にこっちの方を見て
トコトコ・・・・・トコトコ
 
  トコトコ・・・・トコトコ
こっちが動けば兎も動き、こっちが止まれば兎も止まる
「まさか懐かれた?」
いやいやいや、こんなでっかいウサギを連れて帰れないよ
道端でわたげうさぎ・・・だっけ?をバックや頭に乗せて歩いている人はいたけど
こんな・・・子供、いや僕でも背中に乗れそうなビックサイズをどうやって列車内に連れ込めばいいというのだ!?
とりあえず兎に近づいて頭を撫でる
すると兎は気持ちよさそうに目をつぶって尻尾まで振っている
「ごめんよ・・・君を連れていくことはできないんだ」
「キュ?キュー・・・・」
言葉が通じたのか悲しそうにうなだれる
やめて!僕そういうのに弱いんだから!





「で、連れてきてしまったと」
「はい・・・・すみません」
空京駅前、ベンチで先生と向き合っている状態 ・・・兎も一緒に
「先生もな、遠足や旅行で子猫とか子犬に懐かれて先生に怒られたことがあるだからキツクは言わない」
そこで一呼吸置いて
「だが・・・・流石にこの大きさは・・・・庇いきれんな」
「・・・・・ですよね」
席のしたや鞄に隠すことができるならそうする、けど間違ってもこの兎はその鞄サイズである
「このうさぎがパラミタ人ならなぁ・・・お前と契約とか出来るんだろうが・・・」
「どういうことですか?」
「あぁ、言ってなかったか、こういう修学旅行で契約者になる生徒ってたまにいるんだよ。そういうのでまずは地球に一緒に来てもらうために列車代がタダになるって制度があるんだ」
なんという便利制度・・・というか初めて聞きましたよ先生

「ん?どうしたの」
なんかさっきからうさぎが僕の手のひらを舐めてくる
くすぐったくなったので手のひらを返す
するとうさぎが両前足をぺたっと乗せて来た
その時、体に変化が起こった

「うおっ!?」
なんというか、こういうのを体から力が溢れるというのだろうか
 ピョコッ
っと言うような擬音がしたかと思ったら先生が
「あー・・・・竜螺、耳触ってみろ」
「耳ですか?・・・・・へ?」
そこにあったのは人の耳ではなくて
もふもふとした犬(あとで分かったがエゾオオカミ)の耳が生えていた
「キュー!キュー!」
兎はといえばぴょんこぴょんこベンチの周りを跳ね回っている
「もしかして・・・・」
「獣人?」

ちょうどクラスメイトが集合し始めた、そんな時間の事だった





~2年後~

「風花、久々に来たパラミタはどう?」
「ん~久々に仲間に会いたいな~とは思うかな」
「そう、じゃあ行こうか」
「うん!」

あれから風花は僕のパートナーとして、竜螺家の一員として過ごすことになった
風花って名前は母さんが決めた名前だ
そして勉強をしてようやく今年蒼空学園へ入学できることになった

「お友達がいっぱいできるといいね!灰高登!」
「うん、でもまずは勉強もしっかりしないと部活だってクエストだって」
「むー、難しいのは後でいいんですよー」
ぷくーと頬をふくらませる風花
身長で言えば風花の方が10cmは大きいのに僕の方がお兄さんみたいだ

ふと、通りすぎる人混みの中から声が聞こえた
「ほら、急がないと遅刻するわよ」
「ちょっと待ってよ~!」

なんだろう、この懐かしいような・・・・そんな気持ちになる声は
声の主を確かめようと振り返ったがもうすでに確かめることは不可能だった
「どうかした、灰高登?」
「あ、う・・ううん、なんでもない・・・・」



まぁいい、きっといつか出会うことはできるだろう
このパラミタ大陸で冒険する限り


おしまい

_____________
あとがき

この世界ではハイコドが『灰高登』を嫌う理由である不良にならない=緋音が居なくならない
が起きておらず緋音はコントラクターにもなっておりません
その結果本当の意味で普通の男子として成長し、ぶっちゃけアマちゃんです
IFの世界のハイコド(ここではイフコドという)とハイコドを比べると

考え方 イフコド→理想寄り、皆仲良し ハイコド→現実寄り、人それぞれ考えは違う、敵は敵だ
殺傷  イフコド→傷つけるようなことはしたくない ハイコド→殺さない程度に潰す、完全戦闘不能に
風花 イフコド→お姉ちゃん、好意あり ハイコド→相棒、可愛い
ソラン   イフコド→会ったことがない  ハイコド→恋人
信      イフコド→会うことはない(他の人と契約してるかも?)  ハイコド→相棒

さぁ、ハイコドの方が幸せかイフコドの方が幸せか・・・・
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