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さて、そろそろ来るころか      もうすぐ家に着くな・・・
まずは・・・・              まず・・・・・




ぶん殴ろう               正面から一発!

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_________________

「ほーんと、仲がいいなこの親子は」
約10秒前起こったことを見て信はそうつぶやいた


8月下旬、ハイコドたち四人は北海道に着ていた
ハイコドとソランは約7カ月ぶり、風花は4ヶ月ぶりとなる

「自然が多くて、なぜか坂も多いけど・・・・・いいところだな」
「とりあえずツッコミましょうよこの状態を」

この状態とは、ハイコドが緋音を 緋音がハイコドを目視した瞬間お互いが走りだし
相手の顔めがけてグーパンチしたのだ
避けようとも考えていなかったのでクロスカウンターの形となる

そしてボクサーのカウンター同士ならその場で倒れるだけだろうがコントラクターは違う
お互いが相手を目視した位置まで吹っ飛んだ

見つけてから吹っ飛ぶまで約5秒

そしてこの状態を見てソラン達がまたかと思うまでに5~10秒
もはや形式美とでもいうしか無いと信は思った







「ふい~やっぱり自分の部屋はいいねぇ」
二階にある自分の部屋に荷物を置き、ゴテンと転がるハイコド
首を上げ、くるりと部屋を見回せばぬいぐるみの山、山、山
部屋の6割がぬいぐるみで埋め尽くされている
風花がこの中に紛れてもそう簡単には見つからないだろうと考える

部屋自体は4畳半なのだが机とタンス以外はぬいぐるみしか無い
寝具も本棚も別の部屋にあるからだ

「それにしても埃っぽくないな・・・・・・・母さんか」
普通こんなぬいぐるみだらけの部屋を半年近く放置していれば埃まみれでその手のアレルギーがある人には致命的な部屋となっているはずだ、しかし部屋の中は埃っぽさが微塵も感じられなかった

そこにコンコンとノックと
「ハコ、入るよー」
というソランの声
いいよ、と一言言ってドアを開ける
「あはは、あの頃と変わらないねーこの山は」
「そうだね、ありがたいよ」
ふと気づく、緋音がこの部屋を掃除したならば間違い無くあるはず

ポイッポイッとぬいぐるみの山を崩していく
「ど、どうしたのハコ」
「ソラン、狼になって母さんの匂いがコンセントとかタンスの裏からしないか調べてくれない?」
ソラン、と言った意味を瞬時に理解して狼に完全変身、匂いを探す

「あった・・・・」
「こっちもだよ」
ハイコドはぬいぐるみの一つから、ソランはコンセントを取り外したその裏から

盗聴器が見つかった
「あーあー、聞こえてると思うけど母さん、これは犯罪行為だからねー」
とだけ言って盗聴器を破壊する

「まったく、何のためにこんなことをするのかね」
「まぁいいじゃない、声だけなんだし」
「いや、イクナイから悪いから」
とツッコミをいれていちゃつくことにした






「あ、ばれた?いやーあんたそういう仕事についたら?」
などと悪いことなんて何もしていません、とでも言いたそうに緋音は言った
「あのね・・・そういうこと止めてよね、大体取った音声とかって何に使ってるのさ」
「保存して私のPCの中に」

・・・・とりあえず私的利用のためみたいだ
「とにかく止めてよね」
「ほーい」
と軽い返事が返ってきた
「ほんとたのむよ」
そう言ってハイコドは晩ご飯(焼肉)の準備をしている風花の方へ走っていった

「ふむ、2つか・・・・とりあえず合格かな?」
緋音がポケットから取り出した携帯のモニターには
26分の24と表示されていた






ごちそうさまー!と元気いい声が暗くなった空に響く
このあとは花火をする時間だ
風花は走りまわりたいからと兎の姿になっている
もひもひと風花は数百発の手持ち花火の中から輪っか状の花火を咥えて
「ハコ兄様、これはどんな花火ですの?」と聞いてきた
「それはネズミ花火って言ってね、火をつけるとくるくる回りながら走りだすように動くんだよ」
貸してごらんと風花からネズミ花火を渡してもらって火を付け、ポイっと投げる
するとシュルルルルルルル....と音と火を出しながら動き始めて、ぱんっ!と最後に音を鳴らした
「面白いですわね~」
風花は初めて見たネズミ花火を見て楽しそうだった、というか尻尾が喜んでいる

「ハイコドー!見て見てー!」
とソラが呼ぶ方を見ると・・・
「あらよっと」
信が弓(落ちていた笹とタコ糸で作った自作)で花火をくくりつけた矢を空めがけて放った
シューという音と共に火花が空へ上がっていき、そして地面へ落ちた
「火事になったらどうすんのっ!」
ごちんと二人にお仕置きのゲンコツ
相手が恋人だからってアブナイことをしたら注意する、と決めている
「うー、ごめんなさい」
「ハメ外し過ぎました・・・」
と反省しているようなので許してあげることにする

「キャー!キャー!」
と風花の悲鳴が聞こえるので見てみると

緋音が風花に向かってネズミ花火(火術で次から次へ火を着けている)を風花に向けて投げていた
風花は涙目になりながら逃げ回っている
「何をしてんだあなたは!!!」
おぉ、信のドロップキックが母さんに命中した
いいぞもっとやれ
「兎で遊んで何が悪い!」
あんたは小学生男児か!?






夜11時、僕とソラは母さんに呼ばれて母さんの部屋に来た
「とりあえず、明日あんたらは帰るからね・・・・渡しとくものを渡しておくよ」
そう言って渡されたのは
「これは・・・・・髪留め?」
今僕達が使っているのは筒状のバレッタ、『雪原六花』
だけと渡されたのは筒状ではなくただのバレッタに六花と狼のアクセサリが付いているシンプルなものだ
「名前は・・・・・そうだね、狼幻六花とでもするか。雪原六花より軽く丈夫に作ってあるのさ」
「くれるの?」
「ああ、朝の殴られた時の吹っ飛び具合でやるかどうか決めていてね、予想より飛ばなかったから合格ってことで」
どんな判断基準だよ・・・それ
「あと、これもやろうかなーって思う」
母さんは立ち上がり、タンスをスライドさせて大きな金庫を開けた
金庫の中には、変わった形の剣が入っていた

「使ってみな」
「う、うん」
普通の剣のような柄は無い、手を溝に入れて中のグリップをつかんで使うようだからカタールタイプかな?
グリップを握ると刀身が青く光り、試しに上段から振り下ろしたら・・・

触れたか触れないかぐらいだったのにベットが真っ二つになった
「あああああ、危なっ!?」
「ハ、ハコッ!?」
ビビってる僕と驚いてうっかりハコで呼んじゃったソラを見ながら
「あー、やっぱ無理か剣20位だとそんくらいだよなぁ」
「メタな話ししなくていいから!何これ!」
もう怖さが上回って動くに動けない僕からスルッと剣を外して金庫にしまう

「剣のレベルが60になったらやるからガンバ」
とだけ言って部屋を出ていってしまった
「なんなんだよ・・・一体」
「わかんないよ・・・」
一つ分かることはあの武器は僕にはまだ扱えないということだけ






というわけで里帰りも終わり、母さんから新しい髪留めをもらった
・・・これからは剣の修業をしよう
いつかあの武器が使えるようになるために



おしまい
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