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それにしてもプレハブ小屋といいほんとどこから用意してくるのだか・・・

そういえば食料ってどうなってるんだろ

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ぱちりと目が覚める
腕時計を見ると午前5時半、どうやらいつもの癖で早く起きてしまったらしい
体を起こしてみると流石コントラクターというべきか昨日たたきつけられた痛みは回復していた
・・・・こういう時は本当に便利だよなぁこの体は

「そういえばソラと母さんはどうかな」

小屋内を見渡すとソラがスヤスヤと布団にくるまって寝ていた
かわいいなぁ・・・と思いながら頭を撫でると耳がピコピコ動く
やり過ぎると起きてしまうので数度撫でるだけにしておいた

「んなぁーに、ニヤニヤしてんだよ気持ちわりい」

小屋の窓から母さんが顔を出してきた。というか開口一番それかよおはようとか挨拶じゃなくていきなり貶しますかこの人は

「うっさいな・・・かわいいからいいじゃんか、とりあえずおはよう」

「うい、おはよう」

「その手に持っているものはなに?」

見ると母さんは手に魚が入った網を持っていて網の中では魚がピチピチ跳ねていた

「さっき取ってきた食料だよ、小屋とこの島借りるのと船代で予算飛んだからな食料だけは節約しねーと」

「・・・・まじっすか」

流石に無断でこの島を使っているのではないとは思っていたけど大変なんだな
しかしと言うことは・・・

「一ヶ月間、食料はホントのサバイバルになるの?」

「いや、レトルト系とか保存食は持ってきてるからビタミンとかそっちを補充するのにだ。流石に一ヶ月カロリーメイトとか乾パンはマズイだろ?」

いやはや意外、母さんがそこまで考えていたとは
普段ぶっきらぼうと言うか後先考えずなのに料理もとい食べ物だけはしっかりしてるからなぁ

「そういえば保存はどうするのさ」

「アレを使う」

そう言って母さんは小屋の外を指さしたので窓から顔を出し指さしている方を見てみると
小さめのコンテナがドドンと置いてあった

「で?」

「だからあの中に食料突っ込むんだよ」

そう言うと母さんはコンテナの中へ魚を一匹一匹投げ込んでいった
とはいえそのままでは腐らないのかと心配になったが母さんがした行動を見て納得した
母さんはペットボトルに入った水をコンテナにぶちまけると氷術を使ってコンテナ内を凍らせて冷蔵庫にしてしまった

「なるほど・・・・ってその水どっから持ってきたのさ」

「海水から作ったに決まってるだろ、向こうで作ってるから後でみればいい」

そういうのならば大丈夫だろう。腕時計を確認すると午前6時になっていた
少し眠たそうに目をこすりながらソランが起きてきた

「おはよう、ソラ」

「んー・・・おはよう」

軽くおはようのキスをする
そして後悔した、母さんがニヤニヤとこっちを見ている
癖というのは恐ろしいものだその状況でしては不利だと分かっていたはずなのにしてしまう

「・・・なんだよ」

「いや~ラブラブだなぁって」

「っ~~~、おばさま~」

ソランが真っ赤になりながら母さんをぽかぽか叩いているが母さんはニヤニヤしながらソランを見るだけだった
こんにゃろ今日こそはぎゃふんと言わせてやる


____________
午前10時半

「ふん!」

「ぎゃふん!」

一本背負いで砂浜にたたきつけられて逆にぎゃふんと言わされました
かっこわりい・・・・
ソランは別メニューで離れた所で特訓していたから見られることが無かったのは幸運だった

「あのなぁ・・・してるのは戦闘であってケンカじゃないんだからな?」

「そう言われてもなぁ・・・どうも母さんとだとケンカの気持ちでしてしまうんだよなぁ」

改めて説明するなら僕と母さんは色々とゴタゴタがあったせいで親子と言うより喧嘩仲間と言うか姉弟というか・・・ともかくそんな感じになっている
それに今までこっちが打ちのめされるというサンドバック状態で『一発殴れればめっけもの』という感覚で挑む事が当たり前だったのですぐ戦闘と言われてもこれまた癖のようなもので上手くいかないものだった

どうしたものかと悩んでいたら母さんが

「それじゃ戦いたくなればいいんだな?」

といってこっちに近づいてきて耳元で

「■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■」

「よしわかった、お前殺す」

初撃はうまく行った、そのあとは散々だった
思えば普段でも早々簡単にはいかない相手を我を忘れて殴りかかって勝てる訳が無かった
気づけば小屋の中でソラに膝枕されていた
程よい弾力と言うか本当に飽きないと思うソラの膝枕は

「起きた、ハコ?」

「うん起きた・・・」

ソラは優しく微笑みながら僕の顔をのぞき込んでいる
なんというかホント天使みたいだなぁ・・・

「まったくダメだよ?勝てないからってムキになって攻めたりしちゃ」

一瞬頭の中が?になったが予想を立てることは出来た
多分母さんが適当にでっち上げたんだろうと

「勝ちたい・・・」

「ん?」

「アイツに一度でもいいから勝ちたいよ・・・・」

なんだか情けなくて泣けてきたので腕で隠した

「ハーコ」

膝から頭を降ろされどうかしたのかと思い顔から腕を下ろすと僕の額にソランが額をあわせて乗せた
前髪が少しくすぐったかった

「大丈夫だよ、たとえ今勝てなくたって私たちはまだ20歳にもなってないんだよ?まだチャンスはあるから・・・ね?」

ソラが言ってくれた事は確かに正しいというのは頭では分かっていた
けれどこの調子で強くなろうとしても母さんに本当に勝てるようになるのは何年も先の話だ
ソラをちゃんと守れるようになるのにそこまで時間をかけてられるのだろうか?
もしも自分の力不足でソラを守れなかったら自分で自分の首を切りかねない
守れないことをコワイ、そう思ってしまう

「ソラ・・・」

なんて言えばいいか分からなかった
思ったことを話したくてもその言葉でソラを傷つけてしまわないかと迷ってしまう
でも話さないと想いは伝わらない

「なんか・・・ごめん」

「どうして?」

「実は母さんにさ、お前が負けたらソランにひどい事するって言われてさ・・・ついカッとなった」

「そうだったんだ・・・ありがと、ハコ。でもね私だって守られてばかりじゃいられないんだよ?私も強くなって君を守れるようにならないとね」

そういうとソラは光白椿を持って砂浜へと行ってしまった

「・・・嫁に守ってもらうっていうのは結構悲しいんだぞ?」

米神をポリポリと掻きながら小声で誰にも聞こえないようにそうつぶやいた


つづく



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